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【群大病院手術死】 遺族会代表が初めて実名で訴え 「同じ過ち 繰り返さないで!」

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【群大病院手術死】 遺族会代表が初めて実名で訴え 「同じ過ち 繰り返さないで!」

「穏やかで、やさしい父でした」。亡くなった父・貞治さんの写真を手に思い出を語る遺族会代表の木村豊さん

 群馬大学病院の手術死問題で、死亡した患者の遺族会代表を務める前橋市の会社員、木村豊さん(48)が、遺族として初めて実名と素顔を明かして読売新聞の取材に応じ、亡くなった父、貞治さん(当時80歳)に対する思いや再発防止への期待を語った。遺族会は、今年7~8月にかけて面談した執刀医と元教授に「反省の色がない」として、厚生労働省に行政処分を行うよう求めている。木村さんは、2人に対し「二度と同じ過ちを繰り返さないでほしい」と訴えた。

「腹腔鏡手術ありき」の説明 選択肢は示さず

――お父さんの貞治さんは2011年7月、群馬大病院第二外科で肝臓がんの治療のため 腹腔(ふくくう)(きょう) 手術を受け、約2か月後の9月に亡くなりました。行われた手術は当時、保険適用外で、安全性や有効性が確立していない方法でした。

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ありし日の木村貞治さん。入院前は足の不自由な妻の介護をしていたという。温厚な2人は「似た者夫婦」だった。貞治さんは術後、家族と会話さえできないまま旅立った(遺族提供)

 木村:手術の説明には私も同席しました。やるなら手術しかないという形で、先生のほうから、腹腔鏡なら傷も小さいし負担も少ないから、高齢でもあるのでいいだろうということを言われてそうなりました。その説明から、難しい手術だという認識は全く持ちませんでした。先生は何回もやって慣れているんだろうなと思っていた。

――実際はまだ導入から7か月ほどで、木村さんの前にすでに2人の患者が腹腔鏡を使った肝切除を受けて亡くなっていました。そういう説明はなかったのですね。

 木村:全くありません。手術するなら今しかないですよ、という話でした。いま手術すれば元気になれるという。だったら、そんなに難しくない手術みたいだし、受けたほうがいいよね、と思いました。父には痛みの症状もあったので、何らかの治療は必要だったとは思いますが、難しい手術だけどそれでも手術を受けるかとか、開腹手術もあるけどどちらにするかとか、選択肢を示されたのならまだしも、「腹腔鏡手術ありき」の説明だったように思います。

執刀医は「無事に終わりました」

――当初の予定では、「外側区域切除」という当時から保険適用されていた腹腔鏡手術を受けるはずだったのが、実際は、肝臓の左側半分近くと胆管を切り、切った胆管と腸をつなぐという大がかりな手術が行われたのですね。

 木村:もしかしたら、説明より大きく切る必要が出てくるかもしれませんとは言われていました。手術時間が予定よりだいぶ長引いたので心配しましたが、先生は父にとってベストの方法を選んでくれたものと信じていました。手術室から出てきた先生には「無事に終わりました」と言われたので、「ああ、よかった」と。

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