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自筆の遺言費用かからず

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自筆の遺言費用かからず

デザイン部・小林早希

 このコラムで私が遺言を作った話を取り上げたところ、「公正証書遺言は手数料が高い」という感想が寄せられました。確かに、5万円以上かかる場合もあります。そこで今回は、費用がかからない自筆証書遺言の書き方を紹介します。

 自筆証書遺言は、全文、日付、名前を手書きし、押印するだけ。紙の大きさや筆記用具に指定はありませんが、他人に書き換えられないように、鉛筆で書くのは避けたほうがいいでしょう。パソコンでワードなどを使って書いたものは、効力がありません。

 静岡市の行政書士、石川秀樹さん(67)に、文例を教えてもらいました。

 遺言書

 私の全財産を次のように相続させる。

 私名義の家と土地は長男○○に相続させる。私の預貯金、その他一切の金融財産は長女○○に相続させる。

 平成○年○月○日

 遺言者 静岡市○○○○

     山田 太郎 印

 「誰に、どの財産を、どれくらいあげるのかがわかればよい」と石川さんは強調します。

 面倒なのは、遺言を書いた人が亡くなった後、家庭裁判所で検認を受けなければならないこと。検認の申し立てには、相続人全員の戸籍謄本など、書類をそろえる必要があります。

 検認は、遺言書の存在を確かめ、偽造や変造を防ぐのが目的です。筆跡鑑定や、遺言が有効か無効かを判断する手続きではないので、検認を受けても、相続人の一人が「本人の筆跡ではない」などと主張すると、もめる可能性もあります。

 その点、公正証書遺言は、公証人が書くので、もめごとになりにくいと言えます。検認も不要です。

 取材の過程で、70代後半の女性が亡くなる直前、具合が悪い中で書いた、短いメモのような遺言を読みました。たどたどしい字ですが、すべて自筆で、日付、署名、押印もあります。検認を受け、家族もみんな「本人の字に間違いない。よく書き残してくれた」と感謝したそうです。

 私の母も76歳。まずは自筆証書遺言を書くよう勧めてみようと考えています。(社会保障部 安田武晴)

 このコラムでは、父親を見送った記者(48)が、最期に備えるための情報をお伝えしています。

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