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結婚しない若者、増えているの?
働く環境の改善も課題
結婚しない若者
増えているの?
Q 若い人が結婚しなくなったって聞いたわ。
A 5年ごとに行われている国勢調査の結果から、若者の「未婚率」が上昇していることがわかるよ。2015年の調査では、25~29歳では男性のほぼ「4人に3人」、女性の「5人に3人」が未婚だった。この年代の女性は1990年には既婚者の方が多かったんだけれど、最近は、20歳代では結婚していない人の方が男女共に多数派なんだ。
この25年間で30~34歳でも未婚者の割合が高まっていて、男性では「3人に1人」が「2人に1人」に、女性も「7人に1人」から「3人に1人」になった。
Q 何が理由なの?
A 国立社会保障・人口問題研究所が未婚者に「独身でいる理由」(複数回答)を聞いたところ、25~34歳では「適当な相手にめぐりあわない」を挙げた人が、男女共に5割前後と最も多かった。「自由さや気楽さを失いたくない」という回答も、男女共に約3割に上った。「まだ必要性を感じない」という回答も多かった。
Q それなら仕方ないんじゃない?
A 結婚する・しないはもちろん個人の自由。それぞれの考えや判断が若者の未婚率に影響を及ぼしているのは間違いなさそう。でも、「仕方ない」と言っていられないかもしれない。
例えば、「適当な相手にめぐりあわない」のも、勤務先で残業や休日出勤続きの日々で、心の余裕がない若者が多いのが要因かもしれない。また、同じ調査で「結婚資金が足りない」と回答した若者も目立つ。20~30歳代男性の既婚率は年収300万円以上なら25%超だが、300万円未満だと10%に届かないという調査もあり、「結婚したくてもできない」若者の働く環境や処遇の改善が課題との見方もできそうだ。
平均的な結婚の時期が遅くなることは少子化の一因にもなるし、ちょうど子育て中に親の介護の問題が生じる「ダブルケア」の状態にもなりやすい。社会保障全体にかかわる問題ともいえるんだ。(滝沢康弘)
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