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安田記者の「備えあれば」

コラム

故人の口座 どうする?

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デザイン部・小林早希

デザイン部・小林早希

 親が亡くなると直面するのが、遺産相続です。「たいした財産はないから大丈夫」と思うかもしれませんが、多くの人は金融機関にお金を預けています。当然、相続の対象になります。

 私の母も4年前、父が他界後、銀行預金と自宅を相続しました。父名義の口座が複数あり、手続きが煩雑なので、司法書士に頼みました。伴侶を失った直後で心労もあり、自分ではできなかったようです。

 口座の名義人が亡くなったら、早めに金融機関に連絡し、口座を凍結してもらう必要があります。相続人は1人とは限らないので、誰がいくら相続するのか決まるまで、お金の出し入れをできなくするのです。公共料金などの自動引き落としも、行われなくなります。

 「キャッシュカードがあり、暗証番号もわかっているので、現金自動預け払い機(ATM)で預金を引き出せる。凍結しなくてもいいのでは?」と考える人もいそうです。でも、やめたほうがいいです。他の相続人との間でトラブルになりかねないからです。

 また、ファイナンシャルプランナーのなえさんは、もう一つ重要なアドバイスをくれました。相続では、預金も借金も両方受け継ぐのが原則ですが、借金の方が多ければ相続を放棄できます。ところが、「故人の口座から勝手にお金を引き出すと、借金も含めて相続することを承認したとみなされ、放棄できなくなる場合がある」のです。

 太矢さんは「『借金はない』と遺族が思っていても、後で思わぬ借金が見つかるケースはある」と話します。

 葬儀費用の支払いでお金が必要な場合、凍結後でも対応してくれる金融機関もあります。三菱東京UFJ銀行では、葬儀会社からの請求書などを提示すれば、その分の預金を払い戻すことがあるそうです。

 金融機関によっては、故人の預金が少額の場合に、相続人たちの代表者1人が、簡単な手続きで相続できる仕組みを設けています。「少額」の範囲は50万円や100万円など金融機関によって違うので、確認が必要です。(社会保障部 安田武晴)

 このコラムでは、父親を見送った記者(48)が、最期に備えるための情報をお伝えしています。

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安田武晴(やすだ・たけはる)

2002年から社会保障部。介護、年金、障害者支援、地域福祉、終活などを取材。13年、社会保険労務士国家試験合格。妻、愛猫「しじみ」と暮らしている。

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