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情報通信技術を活用し通院負担を軽減…遠隔診療の報酬を拡充へ

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 政府は2018年度の診療報酬改定で、情報通信技術(ICT)を活用して遠隔診療を行った際に医療機関が受け取る報酬を、手厚くする方針を固めた。はるばる通院しなくても、スマートフォンやパソコンのテレビ電話などを使って診療できる仕組みを全国に浸透させ、患者の負担軽減につなげたい考えだ。

 現行制度では、医師が電話やテレビ画像で再診を行った際に、診療報酬として720円が支払われる。心臓ペースメーカーなどを遠隔操作でモニタリングして、医師が患者の体調を管理し、状況に応じて来院を促すなどの指導をした場合も報酬が加算される。

 ただ、対面診療では疾患に応じた管理料などが、再診料とは別に加算されるのに対し、遠隔診療では加算されない。報酬額の差に加え、遠隔診療用の設備が高価なことや、対面診療を重視する風潮が根強いこともあり、厚生労働省が14年に行った調査によると、遠隔診療を取り入れている病院、一般診療所の数は全国の約0・5%にあたる562施設にとどまっている。

 政府は、対面診療で症状を把握した上で遠隔診療を組み合わせて活用すれば、慢性疾患のため定期的に診察が必要な生活習慣病患者らの通院負担を軽減でき、重症化予防にもつながると期待。遠隔診療の報酬を上乗せすることで、導入拡大を後押ししたい考えだ。上乗せ額などは今後詰める。

 遠隔診療を巡っては、政府の規制改革推進会議などから、普及を進めるべきだとの声が出ていた。一方、医師法では「医師は自ら診察しないで治療してはならない」と規定されており、厚労省の通知でも、遠隔診療は「あくまで直接の対面診療を補完するもの」と位置づけられてきた。

 これに関連し、厚労省は24日の社会保障審議会の部会で、18年度の診療報酬改定に向けた基本方針の骨子案を示す。ICTの活用による医師や看護師らの働き方改革の推進、住み慣れた地域で最期まで暮らせる「地域包括ケアシステム」の構築などに向け、診療報酬の比重を改める。12月中に基本方針をまとめ、中央社会保険医療協議会で具体的な報酬額を決めていく。

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