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五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」

医療・健康・介護のコラム

いい匂いのオジサンになるには

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加齢臭は本当に不快?

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 最近よく聞く言葉に「加齢臭」があります。人が年齢を重ねるにつれて発するようになる中高年特有の体臭を指します。年を取ると皮膚のうるおいを保つ皮脂の酸化分解が進み、ノネナールというニオイ物質となります。このノネナールが加齢臭の元なのです。

 ノネナールは、一般的に「ロウソク」や「古本」のようなニオイと言われます。実際に嗅ぐと、さほど不快なにおいではありません。年を取るとともに、目が見えにくくなり、耳の聞こえが悪くなるのと同様、誰にも起こりうる加齢現象の一つです。仕組みは男女共通なので、当然、女性にも発生します。ですから、「人から嫌われるのではないか」と落ち込む必要はありません。加齢臭は、今まで何十年も仕事や子育てにいそしんできた証でもあるのです。

ニオイそのものよりイメージが…

 では、なぜ中高年男性の加齢臭が、いやなニオイとして嫌われているのでしょうか? 私は、ニオイそのものより、オジサンの行動や言動に原因があると思います。若い女性が加齢臭を「オヤジ臭」などと揶揄やゆするのは、ノネナールを鼻で嗅ぎ分けているだけではありません。駅のホームで唾を吐く、食後に爪楊枝つまようじでシーハーする、いつもねずみ色の暗い背広を着る、時代遅れのオヤジギャグで場をしらけさせる、などなど。そんな光景を鼻だけでなく、「目にも耳にもクサイ」と敬遠しているのです。

 このことが、加齢臭対策のヒントになります。まず大切なことは、このような“オヤジな態度”を改め、若々しくて生き生きとした振る舞い、清潔感のある服装を心がけることで、周囲の反応はずいぶん変わると思いますよ。女性も他人事ひとごとではありません。年を取ったら地味めの服装より、色彩豊かで多少派手めの衣装を着て、若々しい印象を与えることも、「オバサン臭」の有効な予防法なのです。

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五味常明(ごみ・つねあき)

1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒。昭和大で形成外科、多摩病院で精神科に携わった後、体臭・多汗研究所を設立。現在は、 五味クリニック 院長として、東京と大阪で診療する傍ら、流通経済大スポーツ健康科学部の客員教授も務めている。

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