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麻木久仁子の明日は明日の風が吹く

コラム

身近になった「がん」 患者を社会から切り離さないで

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治療5年 区切りの検査を受けてきました

身近になった「がん」 患者を社会から切り離さないで

近々、薬膳の本を出版することになりました。料理の撮影をするキッチンスタジオにて

 乳がんの治療を開始して5年たち、区切りの検査を二つ受けてきました。マンモグラフィーの結果は、後日、主治医から説明してもらうことになりますが、超音波の方は横目で見ていても異常はなさそうで、お先に一安心しました。

 5年は、長かったような短かったような――。いや、やはりあっという間でした。がんだとわかった時の驚きが、つい昨日のことのように思い出されますから。

 そもそもは7年前の脳梗塞でした。健康には自信があったのですが、右半身が (しび) れる症状が突然表れ、あわてて病院に行くと、そう診断されました。血圧は高くなく、生活習慣病もなく、これといったリスク要因はないと思っていたので、意外でした。

 幸いにも軽症で、後遺症もありません。その時は、50代を目の前にして、「そろそろ体の使い方を変えなさい」という神様の (おぼ) し召しかな?などと思っていました。

 せっかく軽かったのだから、これからは健康管理をしよう。そんな思いで申し込んだ人間ドックで、今度は乳がんが見つかりました。それも、左右の胸に同時に発生していました。

 当時は、「胸の大きい人の方が乳がんのリスクは高い」という俗説を信じて、人ごとだと思い込んでいたので、これもまた意外でした。

 健康管理意識の低かった私が、幸いにも早期発見に至ったのは、本当に偶然のようなものです。軽い脳梗塞をわずらったことで、たまたま乳がんを発見できたのです。

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asagi

麻木久仁子(あさぎ・くにこ)
 1962年、東京都生まれ。学習院大学法学部中退。テレビ、ラジオ番組で司会者、コメンテーターとして活躍するほか、読書家としても知られ、本の紹介サイトHONZや新聞で書評を書いている。2010年に脳梗塞を発症。12年には両胸に発症した初期の乳がんの手術を受け、現在もホルモン療法中。講演会や取材などで闘病体験や検診の大切さを伝えている。2016年には国際薬膳師の資格を取得した。

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1件 のコメント

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人はガンのみにて生くるものにあらず

寺田次郎 六甲学院放射線科不名誉享受

聖書の言葉をもじってみました。 患者は病や怪我を持った人であって、病や怪我が主ではありません。 医師や病院の存在意義が、時に医師や患者との関係を...

聖書の言葉をもじってみました。

患者は病や怪我を持った人であって、病や怪我が主ではありません。

医師や病院の存在意義が、時に医師や患者との関係を過度に歪めるのではないかと思います。

仕事は人生の一部であって全てではないのと同じように、がんや癌を抱えた生活もまた人生の一部です。

人は本質的に多重人格です。
仕事の顔、趣味の顔、家庭の顔、友人の顔、一人での顔。
子供から大人になっていくに従い、人生経験や大人の仮面も増えていきます。
癌のような大きなストーリーが一時的に心と時間を占拠しても、それ以外の時間や思考、感情は幸福な人生を送るにあたって大事です。

癌の診断と告知を基準に「癌患者の人生」は始まりますが、癌も人生もそこから始まるわけではありません。
当たり前のようで、患者さんのために重要な理解だと思います。

とはいえ、癌の診断や生活の変化が時間や心の占有率を大きく塗り替え、そのために様々な問題が起こります。
改めて、疾患の理解や治療法も様々なら、患者さんの中での理解や感情の変化も様々なので厄介だと思います。

一昔前は若年者でも感染症で山ほど人がなくなりました。
逆に言えば、癌は生活習慣に準じた慢性疾患でもあります。
衛生環境や抗生剤の進歩により、病院の意味や価値が変質してきたということです。
そして、疾患教育や生き方教育の意味が発生してきたとも言えます。

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