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心と体の管理は「自分の記録」から…コンディショニング研究会 川田浩志東海大教授コラム

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「良かった出来事」を書こう

 「その日にあった良かった出来事」は、ぜひみなさんに記録してほしい項目です。何でもいいし、小さなことでもいいんです。

 たとえば、「卵を割ったら黄身が2つだった」とか、「帰宅途中の信号が全部青だった」とか、そんな些細ささいなことでもいいし、「取引先の担当者と出身校が同じで話が盛り上がった」といった心がポッと温かくなった出来事とか。

※対象は抑うつ症状のある129人。2群に分け、一方にはその日にあった良かった出来事を3つ(良いこと3つ群)、もう一方には昔の思い出を書き出す作業を1週間続けさせた。良いこと3つ群では試験開始直後から抑うつ症状が改善し、効果は半年後も続いていた。 (Am Psychol. 2005 Jul-Aug;60(5):410-21)

※対象は抑うつ症状のある129人。2群に分け、一方にはその日にあった良かった出来事を3つ(良いこと3つ群)、もう一方には昔の思い出を書き出す作業を1週間続けさせた。良いこと3つ群では試験開始直後から抑うつ症状が改善し、効果は半年後も続いていた。 (Am Psychol. 2005 Jul-Aug;60(5):410-21)

 良い出来事を書き出すことの効用は、実験的にも確かめられています。就寝前にその日にあった良かったことを3つ書き出すようにしたら、うつうつとした気持ちが改善する、というものです(グラフ参照)。効果はすぐに表れ、長続きするという結果が出ています。

 まずは良かったことの記録は3つじゃなくても、1つでも2つでもいいと思います。良かった出来事を書くのは質の良い眠りにもつながると考えられます。逆に就寝前に良くなかった出来事を考えたり、書いたりするのはダメですね。とくに”反省ノート”は心をやられます。私の場合、反省は、調子に乗りすぎたときだけにしています(笑)。

人生を楽しんでいる人のほうが長生き

 「病は気から」というように、心と体には密接なつながりがあるというのは疑いようがなく、科学的にも示された事実と言えます。たとえば「人生を楽しんでいるかどうか」と生存率の関係をみた研究があります(グラフ参照)。

※対象は50歳以上の男女9365人。2年おきに3回のアンケート調査で「人生楽しみ度」をスコア化。4群に分けて生存率を比較したところ、回数が多い群ほど生存率が高く維持された。(BMJ. 2016 Dec 13;355:i6267)

※対象は50歳以上の男女9365人。2年おきに3回のアンケート調査で「人生楽しみ度」をスコア化。4群に分けて生存率を比較したところ、回数が多い群ほど生存率が高く維持された。(BMJ. 2016 Dec 13;355:i6267)

 この研究では、「自分が行うことについて楽しみながら取り組んでいるか」「誰かと一緒にいて楽しいか」「振り返ると今までの自分の人生は幸せだったと感じるか」「最近エネルギーに満ちていると感じるか」という4項目について、2年おきに3回調査し、スコアで群分けして7年間追跡調査を行っています。

 1回も高スコア群に入らなかった群に比べて、2回入った群は17%、3回とも入った群は24%も死亡リスクが低かったのです。

 人生を肯定的にとらえ、「楽しい」「幸せだ」と感じている人は、健康で長生きできると期待できそうです。

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川田 浩志(かわだ・ひろし)
コンディショニング研究会アンバサダー、東海大学医学部教授、医学博士。
東海大学医学部卒業。同大学院修了。最先端の血液内科診療に従事しつつ、アンチエイジング医学の普及にも力を入れている。自らがアンチエイジング実践派で「人生を楽しみ、健康的に生きる」ことが信条。著書に『医学データが教える 人生を楽しんでいる人は歳をとらない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『長生きの統計学』(文響社)など。

 コンディショニング研究会のサイトは こちら

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