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時を重ねる

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70代 だれがシルバー? タレント 西川ヘレンさん

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 <夫の西川きよしさんと“おしどり夫婦”で知られる。自身ももともと吉本新喜劇の人気タレントだ。結婚後は主婦業第一だったが、近年、タレント業がますます忙しくなっている。>

「この前、小学4年生の孫と相撲を取りましたけど、負けませんでした。中1のお兄ちゃんにはもうかなわへんけど」(大阪市北区で)=大久保忠司撮影

「この前、小学4年生の孫と相撲を取りましたけど、負けませんでした。中1のお兄ちゃんにはもうかなわへんけど」(大阪市北区で)=大久保忠司撮影

 おかげさまで、スケジュールに追われるような暮らしです。テレビ出演や講演、長女のかの子が3年前に大阪・箕面にカフェを開いて、そちらの手伝いもある。でも、忙しいのはもうずっとです。最近は、台所仕事は同居する長男・忠志のお嫁さんが担当してくれるようになったので、すごく楽になった。

 自分のために使える時間も少しはでき、美容にも手をかけるようになりました。若い人と一緒に並ぶ機会が多いので、きれいに、というよりある程度ましに見えないとあかんから。年を重ねると、放っといてはダメなんだと実感しています。

 70歳の義母や母は、お姫様みたいやった。鏡の前に座らはったら、私が髪をブローして、まゆ毛も整えていました。でも、自分が娘らにそうしてほしいとは思いません。かまわれるより、かまいたい性分なんですね。

自分との付き合い方 少しは上手に

 <20歳で当時、駆けだしの漫才師だったきよしさんと、周囲の反対を押し切って結婚。きよしさんの父義道さん(2004年死去)、母清意さん(16年死去)、自身の母杉本百合さん(02年死去)と同居し、家事を一手に引き受けながら、3人の子どもを育てた。>

 3人の親とは40年以上同居し、多重介護も経験しました。昨年の元旦に最後の親、義母を見送り、ほんまやったら、しみじみするところでしょうけど、お葬式の2週間後に主人の前立腺がんの手術が控えてたから、息つく間もなかった。

 幸い、主人の手術はうまく行き、子どもたちが私たちの古希を盛大に祝ってくれて、秋には主人が勲章もいただくなど、気持ちの晴れることが続きました。ただ、主人は元気になったとはいえ、以前のような健康体とは違う。注意深く見守ることは私の大事な仕事です。

 まだ義母の遺品整理ができていません。母や義父の時にはサッと体が動いたのに、テンポが遅くなった。昔の3~5倍、時間がかかる感じです。思ったことと行動力が伴わない。それでも、自分が年寄りになったという気持ちはない。娘と食事に行って、支払いの時に娘が「シルバー割引」なんて言っていると、「だれがシルバー?」と思うんです。

 親を介護していた頃は、更年期障害もあり、急激に血圧が上がって救急車をお願いしたこともあります。今も、忙しすぎたり、自分ではどうしようもないことに直面したりした時、血圧が上がって、胃が炎症を起こしますが、それは体からのSOSなんだと受け止めて、心身をいたわることを心がけられるようになった。自分との付き合い方も、少しは上手になってきたようです。

 <40年近く、夫婦で大阪近郊の老人ホームへの慰問を続けている。近年は、忠志さんやかの子さん、孫たちも同行するようになった。>

 私たちより若くても、体が弱くて入所されている方もおられる。心がけしてても元気でなくなる場合もあるし、こればっかりはわかりません。子どもや孫が手伝ったりお声がけしたりすると、喜んで笑顔になって下さいます。若い人の力はすごい。子どもたちにも勉強になっていると思います。

 今年、金婚式を迎えます。こないだも主人と「長かったような、短かったような」と話していました。主人に「私が介護を必要になったら、パパ見てくれるの」と言ったら、「全面的にするよ! 大丈夫や、任せとけ」って。どこに何が入ってるかもわからへんのにね。無理やと思うから、私が頑張らなあかんけど、その気持ちはうれしい。

 夫婦2人でゆったり過ごしたことがないので、これからそういう時間が持てるといいな、とは思うけれど、いずれ、自然とそういう時が来るでしょう。70歳代はきっとあっという間。大切に一日一日を過ごさないともったいない。今は、それが口癖になっています。(聞き手・辻本洋子)

2017年4月2日掲載(略歴は当時のもの)

 にしかわ・へれん 1946年、京都市生まれ。63年に吉本興業に所属、67年、西川きよしさんと結婚。子どもはタレントの長男忠志さん、飲食店経営の次男傑志(ひろし)さんと長女かの子さん。著書に「泣いて笑ってみおくって 大家族・西川家の多重介護」など。

 

 

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年齢を重ねたからこそ得られる楽しみや境地がある。高齢期を迎えた各界の著名人に思う存分語ってもらいます。

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