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心療眼科医・若倉雅登のひとりごと

医療・健康・介護のコラム

知らなかった「障害者特例」…医師の「無知」と患者の権利

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福祉制度への関心、知識…医師の常識になる時代はいつ来る?

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 一般を対象にした講演会で、障害年金の話題が出た折に、参加者から「医者はいつ障害保険のことを勉強するのか」との質問が出ました。

 医学の授業でこの制度を詳しく勉強する機会はないと思われます。無論、医師国家試験にも出題されません。

 しかし、患者さんには申請の権利があるのに、医師の無知のために情報が提供されないことがあれば、明らかに患者さんの権利を奪っていることになるでしょう。

 大分前の話ですが、精神障害のある患者が「障害者や年金制度に関する情報を医師が提供しなかったために受けるべき年金などを得られなかった」として訴訟を起こしました。判決は医師側の敗訴でした。

 このことをきっかけに、医師たちが日本のセーフティーネットについて関心を深めるかと思いきや、それほどの動きにはなりませんでした。

 医師国家試験にも出題されるようになるくらい、福祉関連の制度が医師たちの常識になる時代はいつ来るのでしょうか。(若倉雅登 井上眼科病院名誉院長)

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若倉雅登(わかくら まさと)

井上眼科病院(東京・御茶ノ水)名誉院長
1949年東京生まれ。北里大学医学研究科博士課程修了。グラスゴー大学シニア研究員、北里大学助教授、井上眼科病院副院長を経て、2002年から同病院院長。12年4月から現職。日本神経眼科学会理事長、東京大学医学部非常勤講師、北里大学医学部客員教授などを歴任。15年4月にNPO法人「目と心の健康相談室」を立ち上げ副理事長に就任。「医者で苦労する人、しない人 心療眼科医が本音で伝える患者学」、「絶望からはじまる患者力」(以上春秋社)、「心療眼科医が教える その目の不調は脳が原因」(集英社)、医療小説「茅花流しの診療所」、「蓮花谷話譚」(以上青志社)など著書多数。専門は、神経眼科、心療眼科。予約数を制限して1人あたりの診療時間を確保する特別外来を週前半に担当し、週後半は講演・著作活動のほか、NPO法人、患者会などでのボランティア活動に取り組む。

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