科学
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「1日8千歩」が健康に良い歩き方…マラソンやジョギング、しない方が良い?
人生の節目に備える
――明日からウォーキングを始めたい人もいると思います。始めるのに良いタイミングは?
青柳 ひと言で言えば、遅すぎることはありません。何歳になっても、若い時と同じだけの効果があることが、証明できているのです。80歳でも何歳になっても遅くありません。
――人生を送る上で気を付けるべきことは?
青柳 人生には、さまざまなライフイベントがあります。入社、転職といった大きな出来事です。そういう時に、活動量ががくっと下がって、病気が起こりやすいのです。
――人生の節目の度に活動量が下がるものなのですか?
青柳 上がれば良いのですが、落ちやすいのです。特に、退職して張っていた気がスーッと抜ける。活動量が落ち、今まで何でもなかったのに、病気が表に現れることが多いのです。そこで生活習慣を見直す。できれば、改善することが大事です。
――次の人生の節目がいつかわかっている場合は、それに備えて前から取り組み始めても良いのでしょうか。
青柳 退職時期なら、大体わかりますね。配偶者との死別が最後の大きな出来事になりますが、これはわからないことが多い。節目を考え、行動を次につなげていくように心掛けていただきたいと思います。
――ふさぎ込みがちな時こそ、外へ出ることも考えなければいけないですね。
青柳 社会支援で隣近所の人たちとうまくコミュニケーションをとる、といったことが必要になってきます。
――1日8千歩。そのうちの20分ぐらいを中強度の歩き方にすることで、大方の病気を予防する効果が期待できる。心強いアドバイス、ありがとうございました。
※9月12日放送のBS日テレ「深層NEWS」(毎週月~金曜日の22~23時放送)を再構成しました。(浅見 恭弘)
青柳 幸利 (あおやぎ・ゆきとし)
東京都健康長寿医療センター研究所 運動科学研究室長。医学博士。群馬県生まれ。筑波大卒、トロント大学大学院医学系研究科博士課程修了。著書に『あらゆる病気は歩くだけで治る!』(SB新書)、『やってはいけないウォーキング』(同)、『なぜ、健康な人は「運動」をしないのか?』(あさ出版)など。
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