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落語家 林家木久扇さん

一病息災

[落語家 林家木久扇さん]喉頭がん(3)休業中 本の印税で稼ぐ

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 のどにできた喉頭がんで声が出なくなり、2014年7月から放射線治療を受けた。週5回、7週間の通院で、のどに放射線が照射される。

[落語家 林家木久扇さん]喉頭がん(3)休業中 本の印税で稼ぐ

 のみ込むとのどがヒリヒリし、照射部分の皮膚が赤くただれる副作用があった。日中も寝ていることが増えた。

 そんな時、妻がレストランでの食事や、宝塚の公演に連れ出してくれた。「気分転換になって感謝しています」

 がんが見つかった時、真っ先に考えたのは「家族と11人の弟子を養うには、どうやって稼いでいこうか」ということだった。まじめな性格なのだ。

 放射線治療自体は3分程度で済むため、時間はたっぷりある。本を4冊書き、木久蔵ラーメンに続くスパゲティ「木久扇ナポリタン」を考案した。

 生家は東京・日本橋の雑貨問屋で、「いつもそろばんの音を聞いて育ったので、働かないといけないという思いがある。休業中も本の印税などで稼げました」

 9月上旬に治療は終わり、がんは消えたと言われた。「がんが治れば声が出ると思っていた」が、2週間ほどたっても声は出ない。「がんが消えるのと、声が出るのは別なのか」と不安がよぎった。

 治療終了を見越し、声が出るだろうと仕事を入れていた。同月21日の朝、妻から「いつまで寝てるの」と声をかけられた。

 「そうだね、おはよう」(……あっ、声が出た!)

  落語家 林家 木久(きく)(おう) さん(80)

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