40代から備えよう「老後のお金」 楢戸ひかる
医療・健康・介護のコラム
あなたのお金、人生最後まで足りる?
初めまして! 私はマネーライターの 楢戸 ひかると申します。2歳年下の夫と結婚して20年。男の子3人(高校生と中学生の双子)を育てている主婦でもあります。
この春、双子が中学生になりました。子どもが小さいうちは忙しく、毎日の生活しか眼中にありませんでしたが、今になって、何だか「スポン」とトンネルを抜けた気分です。そして同時に、自分の人生の先が見えてきました。 俄然 、「老後」が自分事になってきたのです。
老後の赤字は毎月3万円
そこで考えました。老後の生活には、どれくらいのお金がかかるものでしょうか? 総務省の家計調査報告( 家計収支編、2016年平均速報結果 )によれば、現在、年金をもらっている世帯を含む「無職世帯」(世帯主の平均年齢73.2歳)の家計は、毎月約3万円の赤字だそう。支出が平均で約24万円なのに対し、収入は約21万円しかないのです。
企業などで働いた人が高齢になってからもらう厚生年金の平均額は月約15万円、自営業者がもらう国民年金は約5.5万円です。今後、高齢化がさらに進み、40代の私が年金生活になる頃には、より厳しい現実が待っているのでしょう。若い頃からの準備は、ますます必要になるはずです。
こんな話を、「マネーライター」の私は、何度も記事にしてきました。しかし一方で、主婦としての私は、「そうは言ったって、政府が何とかしてくれるだろう」とタカを 括 ってもいたのです。
つみたてNISAが始まるのは、なぜか
けれども、今年になって「本気で、ヤバいかも!」と、思うようになりました。1月には「iDeCo」(イデコ・個人型確定拠出年金)に専業主婦も加入できるようになりましたし、10月から「つみたてNISA」 (日本証券業協会HP参照)の口座開設の受付が開始されました。つみたてNISAとは、2018年から導入される積立型の少額投資非課税制度。つみたてNISA口座で購入した株式投資信託等の運用利益が非課税になる制度です。
NISAも確定拠出年金も、欧米の国々をお手本にした税制優遇制度。こうした国々は、公的年金を老後の最低限の生活保障とし、それで足りない人は企業年金や個人年金で備えてもらうという方向が明確な社会です。
これは、どういうことか。そうした制度が、日本にもバンバン導入されているということは、「税制で優遇するから、老後資金は自助努力でよろしく!」という方向に、社会が 舵 を切っているのだと、私は感じています。
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