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年金支給漏れ どう確認…改定通知書に振替加算額
元公務員の配偶者らを中心に、総額約598億円に上る年金の支給漏れが発覚した問題で、日本年金機構は今月中旬から未払い分の支払いを始めます。「自分の年金は大丈夫だろうか」と考える受給者も多いはず。神奈川県の女性、A子さん(65)の書類を元に、社会保険労務士の三宅明彦さんに、問題となったケースなど、よくある年金の支給漏れを自分でチェックする方法を聞きました。
■振替加算の有無
今回発覚したのは、国民年金の振替加算と呼ばれる部分です。きちんと支払われているかどうかを確認する方法は、主に二つあるそうです。
まずは、毎年5月~6月に同機構から届く「国民年金・厚生年金保険 年金額改定通知書」(写真〈1〉)で確認する方法です。「国民年金」と書かれた欄に「振替加算額」と「金額」が記されていれば加算されています。A子さんの場合、「振替加算額 74、692円」とあります。
もう一つは、通常、65歳になった際に届く「国民年金・厚生年金保険 年金決定通知書・支給額変更通知書」の裏面をみる方法です。
「国民年金(基礎年金)」と書かれた項目に「加給年金額または加算額」という欄があり、ここに金額が記載してあれば加算されています。書類に「振替加算」という欄がないので、探しにくいかもしれません。三宅さんは、「未払いが起きやすいのは、妻が年上の場合や、夫が元公務員のケース」と話します。
ただし、夫が年上の場合、妻が振替加算をもらい始めると、その代わりに夫が受け取る年金額は減る仕組みになっています。「自分の年金が急に減った」と驚く人も多く、A子さんの夫も年金事務所に相談に駆け込んだそうです。
■年金の種類
振替加算とは別に確認したいのが、加入してきた国民年金の種類です。
年金は職業などで三つに分かれています。自営業者や学生などは「1号被保険者(1号)」、会社員や公務員は「2号被保険者(2号)」です。2号の配偶者にあたる専業主婦らは「3号被保険者(3号)」で、保険料負担はありません。
どの種類に加入しているかを知る手がかりになるのが年金手帳です(写真〈2〉)。
A子さんは、会社員の夫と結婚後、主に専業主婦として過ごし、1992年(平成4年)の5月から約半年、勤めました。このケースで確認したいのは、3か所です。
一つ目は、86年(昭和61年)4月1日に3号になっているかです。専業主婦は原則として、一斉にこの月から3号になりました。これ以後に結婚し、専業主婦になった人は手続きの不備があると、3号になっていないことがあるので、要注意です。
二つ目は、勤めていた会社を辞めて専業主婦に戻った時です。A子さんの場合、92年(平成4年)10月30日、専業主婦(3号)となったことが確認できます。
三つ目は、働いている夫が65歳になった時です。たとえ夫が会社員として働き続けていても、妻は3号でなくなる仕組みで、自分で保険料を納める1号になります。三宅さんは「保険料は年間約20万円。高齢になってからの出費なので、心づもりを」と話します。
ただ、手帳だけではすべての記録が分からない場合もあります。年金事務所などに行けば、詳細な記録を取り寄せられます。
■複数の年金手帳
一方、中には、複数冊の手帳を持っている人もいます。かつては転職する度に、会社から新しい手帳が渡されるなどしたことが原因のようで、A子さんも3冊の年金手帳を持っていました。
手帳が複数ある場合は、1冊以外に「基礎年金番号に登録済み」などと記されているか見てみましょう。記載のない手帳がある場合などは、記録が合算されていない恐れがあります。
年金制度は複雑で、このほかにも誤りや漏れが見つかる可能性があります。三宅さんは「不安な人は相談を」と話します。
<振替加算> 65歳から受け取る国民年金(基礎年金)に上乗せして給付される。配偶者が厚生年金や共済年金に20年以上加入しており、自分は専業主婦などで、厚生年金や共済年金の加入期間が20年未満であることなどが、給付の条件となっている。
◇問い合わせ先
「ねんきんダイヤル」(0570・05・1165、03・6700・1165)。月曜から金曜と毎月第2土曜に対応している。全国の年金事務所や街角の年金相談センターでも相談できる。
(大広悠子)
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愛ちゃん
平成22年だったか社会保険庁から日本年金機構へと名前が変わりこんだけ色々と不祥事が芋づる式にあれや、これやと本当に呆れてしまいます。 国民の大事...
平成22年だったか社会保険庁から日本年金機構へと名前が変わりこんだけ色々と不祥事が芋づる式にあれや、これやと本当に呆れてしまいます。
国民の大事な保険料を積立てておきながらこのいい加減な組織にはあきれています。
社名は変わったと言えども元社会保険庁時代の職員がそのまま年金機構へと入り、そりゃ良くなるはずがないわな!
国民をなめとんか?って言いたい。
厚生労働省も国民の大切な年金をもっと真剣に管理してほしい。減らすときだけは思い切ってするが、余りにもずさん過ぎる。年金機構をもう一度解体をしなければ良くはならないと思う。
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