健やかキッズ
妊娠・育児・性の悩み
乳児の肌 清潔にして保湿
かぶれ・かゆみ クリームなどで予防
赤ちゃんの肌は敏感だ。特に、空気が乾燥する冬場は、大人よりも肌がかさつき、かゆみやかぶれが起こりやすい。肌を清潔にし、クリームなどで保湿することが大切だ。
東京都内の会社員女性(40)は8か月の長男の肌のかさつきや、口の周りのかぶれに悩んでいる。「赤ちゃんの皮膚は柔らかくてプルプルしている。常に潤っていると思い込んでいました」という。
弱いバリア機能
持田ヘルスケア(東京)広報担当、佐々木
保湿をする前には、肌をきれいにしておくことが大事だ。東京都世田谷区の「りかこ皮フ科クリニック」の佐々木りか子院長は「低刺激性のボディーソープを選び、よく泡立てて手で包み込むようにやさしく洗ってください」とアドバイスする。市販されている赤ちゃん用のボディーソープは低刺激性のものが多い。
ナイロンタオルやスポンジなどは皮膚を傷めるおそれがあるので使わない。湿った状態で放置されて雑菌が繁殖している可能性もある。ボディーソープを洗い流したら、柔らかいタオルで全身を包み、そっと水分を吸収させる。
拭いた後すぐに、市販の白色ワセリン、保湿クリームやローションなどを塗って保湿する。顔、首のほか、耳の裏側や腕や足のしわ、指の間などにも塗る。塗りのばして、肌がしっとりとしたさわり心地になる程度が適量だ。
入浴後に加え、朝も行うとよい。よだれや汗をぬらしたタオルで拭き取ったり、おしっこやうんちをシャワーで洗い流したりした後にも塗ってあげよう。
「アトピー」対策にも
スキンケア用品は、医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づき、作用の程度や目的によって「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」の三つに分類される。含まれる成分の種類や量は分類によって異なる。薬局などでスキンケア用品選びに迷ったら、使用目的などを薬剤師に伝えアドバイスしてもらおう。
保湿によって皮膚の状態を健康にしておくことは、アトピー性皮膚炎の予防にもつながるという。国立成育医療研究センター(東京)の研究では、家族にアトピー性皮膚炎の人がいる新生児に対して保湿を行ったところ、行わなかった乳児よりも同皮膚炎の発症率が低下した。
ただ、保湿をしていても肌のトラブルに見舞われてしまうことはある。佐々木院長は「家庭で手入れをしても、かゆみや赤みが取れない場合は、早めに皮膚科を受診してください」と話している。
■赤ちゃんの肌を健康に保つポイント
・ ボディーソープをよく泡立て、手でやさしく洗ってから、しっかりと流す
・ 風呂上がりはタオルでそっと押さえて水分を取る
・ 入浴後はすばやくクリームなどで保湿。よだれやおしっこの汚れを拭き取った後もこまめに保湿する
・ 暖房をきかせすぎず、加湿器を使うなど湿度管理にも留意する
(佐々木院長らの話を基に作成)
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