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認知症になると、どうなるの?
記憶障害など表れる
認知症になると
どうなるの?
Q 最近、認知症のことをよく聞くけど、どんな状態になることなの?
A 認知症になると、記憶が抜け落ちたり、日時や場所がわからなくなったり、家事の段取りが立てられなくなったりすることが多い。病気などが原因で脳の細胞が壊れることで起きると言われるよ。周囲の人との関係や本人の性格によっては、妄想や 徘徊 などの症状が出ることもある。認知症には種類がいくつかあって、記憶障害を伴う「アルツハイマー型」が全体の7割を占めるという研究もある。
Q 高齢者の物忘れとはどう違うの?
A そうだね。加齢による物忘れは、自分が忘れていることに自覚がある。例えば、1週間前に訪れた場所を思い出せなくても、きっかけがあれば思い出せるというイメージだ。一方、認知症の場合、忘れたという自覚に乏しい。食事をしたのに「まだ食べていない」など、行為自体を否定する例が目立つ。
Q 認知症の人はどれくらいいるの?
A 厚生労働省研究班の推計では、認知症の高齢者は2012年時点で462万人だ。高齢になるほど発症しやすく、85歳以上では男性の5割弱、女性の6割弱が発症するという調査結果もある。「団塊世代」全員が75歳以上になる2025年には、65歳以上の5人に1人にあたる約730万人が認知症になるという推計もあるんだ。
Q 「認知症かも」って思ったら、どうすればいい?
A 早めにわかれば、薬で進行を遅らせることも期待できる。まずは、かかりつけ医に相談してほしい。詳しい診断をする専門医は、日本認知症学会のホームページなどから探せる。自治体の地域包括支援センターでも紹介してもらえるよ。
Q 本人もそうだけど、介護する家族も大変だね。
A だからこそ、介護サービスが大切だ。グループホームなど、認知症の人を専門にしたサービスもある。本人や家族が交流する「認知症カフェ」も全国で広がっている。あらゆる手段で、本人や家族の孤立を防ぐことが大切だ。(板垣茂良)
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