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認知症予防に挑む(5)発症前投与へ新薬研究

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認知症予防に挑む(5)発症前投与へ新薬研究

 順天堂大学病院(東京・御茶ノ水)の若年性アルツハイマー病専門外来に、会社員の男性が訪れた。物忘れを心配して受診したBさん(58)だ。代表的な認知症であるアルツハイマー病は高齢者だけの病気ではなく、65歳未満で発症した場合を「若年性」と呼ぶ。

 「職場で車をぶつけたことを忘れている」。Bさんの会社の産業医は、妻にそう説明し、専門的な病院へ受診を勧めた。

 同病院の見立てでは、脳の画像から、若年性アルツハイマー病の典型的な特徴である「頭頂葉」の異常はなかった。しかし、注意力などに関わる「前頭葉」に少し 萎縮いしゅく があり、血流も悪かった。飲酒によるアルコール性健忘症も疑われた。

 簡単な計算や記憶力を試す認知機能検査では、高得点だったBさん。アルツハイマー病かどうかは確定せず、当面は経過観察することになった。

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