本ヨミドク堂
医療・健康・介護のコラム
『ほの暗い永久から出でて』 上橋菜穂子、津田篤太郎著
「精霊の守り人」などの作品で知られる女性作家と、西洋医学と東洋医学を合わせた診療に定評がある聖路加国際病院の医師との往復書簡をまとめた。
副題は「生と死を巡る対話」。何のための「生」なのか。生きるために「死と再生」のドラマが必要なのか。AI(人工知能)と人の脳の違いは? 体とは、直感とは……など多様なテーマを、科学や哲学を踏まえて掘り下げていく。
作家は、実母を肺がんで亡くした経験から思索を深めた。医師はそれを受け止め、独自の思考を発展させた。実感を伴って語られる丁々発止の掛け合いが刺激的だ。
(文芸春秋 1300円税別)
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