文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

心療眼科医・若倉雅登のひとりごと

医療・健康・介護のコラム

野山では要注意…マダニが目に起こす病気

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

細菌やウイルスを媒介…潜在する病気

hitorigoto-blue-300-300

 ただ、日本のマダニの病原体保有率は「欧米と同等」との調査結果もあり、実は診断や報告がされていないだけで、病気が潜在しているとの指摘もあります。つまり、医師が疑わないため現状では調べられていない、ということでしょう。

 このように細菌やウイルスを媒介して人に病気を起こすマダニは、3月から11月ごろまで活動するとされます。野山に出かけるときは刺されないように装備することが大事です。

 SFTSは風邪のような症状が出た後、意識障害や血が固まりにくくなるなどの症状が出ますが、効き目のある治療法はなく、死亡率が比較的高いのです。けれども、「ライム病」で目や神経系に症状が出た場合は、適切な抗生物質を使えば改善する可能性が高いようです。

 私が子供のころは、蚊に媒介された日本脳炎が恐ろしい病気とされていました。予防注射も日本脳炎が一番痛かったことが、記憶に刻まれています。その当時は年間1000人以上の発症があったそうですが、今では年間1桁程度の人数が報告されるにすぎません。

 一方、SFTSは2014年以降、西日本、高齢者を中心に年間50人以上の報告例があります。2017年は9月時点で、すでに16年を上回っていることが発表されています。

 今では、節足動物と言っても、蚊ではなく、むしろマダニに気を付けるべきでしょう。目にも影響することがあります。ただ、家庭をはじめとした、身の回りにいるダニは、マダニとは別のものです。今まで述べてきた病気とは関係がありません。念のため、申し上げます。(若倉雅登 井上眼科病院名誉院長)

2 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

201505_第4回「読売医療サロン」_若倉

若倉雅登(わかくら まさと)

井上眼科病院(東京・御茶ノ水)名誉院長
1949年東京生まれ。北里大学医学研究科博士課程修了。グラスゴー大学シニア研究員、北里大学助教授、井上眼科病院副院長を経て、2002年から同病院院長。12年4月から現職。日本神経眼科学会理事長、東京大学医学部非常勤講師、北里大学医学部客員教授などを歴任。15年4月にNPO法人「目と心の健康相談室」を立ち上げ副理事長に就任。「医者で苦労する人、しない人 心療眼科医が本音で伝える患者学」、「絶望からはじまる患者力」(以上春秋社)、「心療眼科医が教える その目の不調は脳が原因」(集英社)、医療小説「茅花流しの診療所」、「蓮花谷話譚」(以上青志社)など著書多数。専門は、神経眼科、心療眼科。予約数を制限して1人あたりの診療時間を確保する特別外来を週前半に担当し、週後半は講演・著作活動のほか、NPO法人、患者会などでのボランティア活動に取り組む。

心療眼科医・若倉雅登のひとりごとの一覧を見る

最新記事