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ブラジルで日系移民の巡回診療

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ブラジルで日系移民の巡回診療

リオ・グランデ・ド・スール連邦大学教授。1958年生まれ。ブラジル国籍。 撮影・高橋美帆

  もりぐち エミリオ ひでゆき さん 59

 ブラジル南部で毎年7~8月、健診バスにスタッフ数人と乗り込み日系移民の巡回診療を無償で行う。移動距離は3000キロ・メートル、診療は400人を超える。

 本職は、現地の医学部教授で、老年医学が専門だ。1967年、9歳の時に一家で同国に移住。巡回診療は、外務省の嘱託医として30年に日本から派遣された母方の祖父・細江静男さんが現地の医師不足を痛感し、帰国を断って始めた。診療を引き継いだ父の幸雄さん(91)を医学生時代から手伝い、3代目になる。

 子どもの頃、祖父に「秀坊、ついてこい」と言われ、そばで見た診療が忘れられない。日没まで診療し、夜は移民を集めて健康の話をする姿に「こういう仕事がしたい」と憧れ、ブラジルの大学を出て医者になった。

 移民1世は70歳以上になり、認知症も増えている。診療は病気以外の悩みも聞き、終了が深夜に及ぶこともあるが「『おじいさんの診療と一緒だね』と言われるのがうれしい」と言う。

 悩みは150万円かかる巡回診療の費用。数年前から日本企業などから支援を受けているが、自腹での支出も多い。「現地で待っている日系移民がいる限り、自分がやるしかない」との気概は変わらない。(医療部 山田聡)

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