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子どもの健康を考える「子なび」

コラム

発達障害(6)どの程度困るか 見極めを

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 発達障害では、精神科医で信州大付属病院子どものこころ診療部長の本田秀夫さんに聞きます。(聞き手・松本航介)

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 今回は、発達障害のもう一つのタイプであるADHD(注意欠如・多動症)について、主な診断基準を紹介しましょう。

 まず、不注意や多動・衝動性の症状が見られること。不注意というのは、うっかりミスが多いこと。多動・衝動性は、落ち着きがなく、思いついたら後先考えずにやってしまうなどです。

 こうした症状のいくつかが、12歳より前から見られ、様々な場面で生じる。これらがADHDの「特性」です。要するに、そそっかしいということです。

 加えて、その症状のせいで「対人、学業、職業の機能を妨げたり質を低下させたりしている明らかな証拠がある」こと。これは前回の自閉スペクトラム症と同じ。「生活に支障を来す」ということです。ADHDの場合も、特性があることに加え、生活に困るということがあって初めて「ADHD」と診断されるのです。

 実はADHDの方が診断は難しい。なぜかというと、そそっかしい人なんて大勢いるわけです。先ほどの特性も、誰でも思い当たりますよね。それによって本人や周囲がどの程度困るか、ということなのです。

 典型的なADHDの人のイメージを挙げると、漫画の世界ですが、サザエさんの弟・磯野カツオ君がそうです。そそっかしくておっちょこちょい。でも、「カツオ君はADHDだから、病院に行った方がいいよ」なんて誰も言いませんよね。困ってないからです。もし、そそっかしさがもっと目立つようだと、本人も悩むでしょう。

 また、磯野家だからカツオ君も困らないのかもしれません。お姉さんもそそっかしいので、カツオ君が特別に目立つわけでもありません。もっと厳格な家庭だったら、カツオ君のそそっかしさを家族が問題視するかもしれません。ADHDの診断には、誰がどのように困っているかを見極め、慎重な判断が必要です。

【略歴】

本田秀夫(ほんだ・ひでお)

1964年、大阪府豊中市生まれ。精神科医。信州大医学部付属病院子どものこころ診療部部長・診療教授。日本自閉症協会理事。著書に「自閉症スペクトラム」など。

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