教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
コレステロールと卵 制限は?
一般的に1日2個まで
Q 血液検査で「コレステロールが多い」って。
ヨミドック コレステロールはホルモンや細胞の膜の材料として体には不可欠ですが、使い切れないくらい多いと血管壁にたまって動脈硬化の原因になります。心配ですね。
Q コレステロールの多い食品と言えば卵だけれど、「1日1個まで」とか最近は聞かないね。どうして?
ヨ 厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準」が2015年に改定され、コレステロールの目標量(上限)の記載が消えたからです。
Q どうして消えたの?
ヨ 卵の摂取量と循環器系の病気の発症との間に関連性がないという研究報告が相次ぎ、目標量は「十分な科学的根拠がない」とされたためです。実は、コレステロールの8割は肝臓など体の中で作られ、食事から摂取されるのは2割です。健康な人は、血中の濃度が体内での合成量により調節され、一定に保たれています。
Q それなら卵を、たくさん食べても大丈夫なの?
ヨ 一般的には1日2個までなら食べても大丈夫でしょう。卵は安くて栄養豊富な食べ物としておすすめです。ただし、食品のコレステロールをどのくらい吸収するかは、20~80%と個人差が大きいのです。卵などを食べると体内のコレステロールが増えやすい人もいるので、健康診断のコレステロールの値に気をつけてくださいね。
Q コレステロールの中でも増えた方がいいタイプがあるんだってね。
ヨ いわゆる善玉コレステロールのことですね。使い切れず余ったコレステロールのうち、血管壁にたまらず、肝臓に戻るものを善玉といいます。禁煙や運動で増えます。一方、肝臓などから全身に向かうものを悪玉コレステロールといいます。悪玉といっても多すぎるのが悪いだけなんですけどね。
Q 悪玉を減らすには?
ヨ 油の多い食事、過度の飲酒、運動不足やストレスが多い生活習慣により、肝臓で作られる中性脂肪が増えると、悪玉も増え、善玉が減るという具合に体は反応します。コレステロールの多い食べ物に気を配るだけでなく、日頃の生活を見直しましょう。
(山田聡/取材協力=吉田雅幸・東京医科歯科大学教授、近藤和雄・東洋大学教授)
ヨミドックは読売新聞の医療介護サイト「ヨミドクター」のお医者さんキャラです。
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