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ホームレスの人は、どのくらいいるの?
居場所様々に実態不明
ホームレスの人は
どのくらいいるの?
Q 夜、公園で寝ている人を見かけたの。段ボールやブルーシートを使っていたわ。
A 家がなくて、外で暮らしている「ホームレス」の人のことじゃないかな。2002年に制定されたホームレス自立支援法では、「公園や河川敷、道路、駅舎などで生活する人」と定義されているんだ。
ホームレスになってしまう背景には、失業や病気で収入が低くなるなど様々な事情がある。生きづらさを抱えて人間関係をうまく築けず、家族や地域から孤立している人も多いんだ。
Q 何人くらいいるの。
A 厚生労働省の集計によると、今年1月時点で全国に計5534人いた。調査員が昼間、見て確認した人数なので、実態はもっと多いといわれる。東京や大阪などの都市部に集中しているよ。雇用環境の改善などで、03年調査の2万5296人と比べると大幅に減った。
でも、屋外だけでなく、24時間営業のネットカフェや飲食店などで過ごす「隠れホームレス」の存在も指摘されているんだ。
Q どうやって生活しているの。
A 同省が今年9月に公表した生活実態調査によると、半数以上が仕事をしていて、平均収入は月約3万8000円。廃品回収や、建設現場での日雇い労働で生活費を得ているそうだ。高齢化が進んでいて、平均年齢は61・5歳。初めて60歳を超えた。高齢になると、若者よりも社会復帰が難しく、健康状態も心配だね。
Q 自分の家で安心して暮らせるように、助けられないのかしら。
A 国や自治体が、一時的な宿泊場所の提供や、就労に向けた支援に取り組んでいるよ。民間団体による炊き出しや、巡回相談も熱心に行われているんだ。
Q うまく支援につながるといいんだけど。
A そうだね。支援が必要な人を様々な視点で見つけ出し、その人に合った形でねばり強くサポートしていくことが必要だね。(粂文野)
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