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【いのちの値段】人生の最終章(1)延命治療と本人の意思

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【いのちの値段】人生の最終章(1)延命治療と本人の意思

樋出操さん(右奥)を診察する医師の松尾さんと義妹。手前はたんの吸引器と携帯型輸液ポンプ(目黒区で)=奥西義和撮影

 都心の一角、東京都目黒区の 樋出ひのいでみさお さん(92)を記者は訪ねた。会社員の息子(62)や義妹(77)と、築60年の家に住んでいる。

 操さんは、人の悩み事を聞き、人のために汗をかく女性だった。83歳を過ぎ、病気の勢いが頑張りを追い抜いた。脳 梗塞こうそく や認知症を患い、88歳で寝たきりに。会話もできなくなった。

 2年前、肺炎で入院した際、決断を迫られた。医師は息子に、おなかに開けた穴からチューブで栄養を入れる胃ろうの説明をし、「造らないと1週間で亡くなる」と告げた。乱暴な宣告に息子はうろたえた。

 消しゴムでこするように記憶が消える前、操さんは「延命治療は絶対に嫌」と語った。だが、息子が「お迎えが来たら断れ」と言うと、「分かっているよ」「(迷惑かけて)ごめんね」と答えた。いのちに強く執着はしないが、お前の気持ちは分かる。操さんの言葉を、息子はそう理解した。

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