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子どもの健康を考える「子なび」

コラム

発達障害(4)引っかかる悩み 理解を

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 発達障害では、精神科医で信州大付属病院子どものこころ診療部長の本田秀夫さんに聞きます。(聞き手・松本航介)

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 もう一人、別の男の子の例を紹介します。とても知能が高く、幼稚園の年少の頃には簡単な足し算引き算ぐらいはできるような子でした。

 ところが、小学校に入り、算数の授業が始まった初日に、すごく暗い顔をして家に帰ってきたのです。そして、「小学校の算数って難しい」と言ったそうです。お母さんが不思議に思って「何が難しかったの?」と尋ねたら、こう答えました。

 「それがね、小学校ではリンゴ3個とミカン2個を足せって言うんだよ」

 ふつう、リンゴ3個とミカン2個を合わせていくつ?と問われたら、ほとんどの人は「5個」と答えますが、この子は「リンゴとミカンは足せないでしょ」と考えたのです。

 ごもっともですよね。逆に、「なんで足すの?」って話ですよね。よくよく考えてみると、例えば、ビル3棟とチョコレート2個を合わせていくつ?と問われた時に、これを「5個」と考えるのは、発達障害じゃない人でもなかなか抵抗があるわけです。

 ビルとチョコを足してはいけないのに、なぜリンゴとミカンは足していいのでしょう? この疑問に、誰もが納得できるように論理的に説明できますか? 難しいですよね。

 論理的に考えると、本当はこの男の子の方が合っているのです。ところが、何となくそれで納得してしまう人が大勢いるもんだから、そちらの方が正しいのだとみんなが思ってしまい、「リンゴとミカンぐらい足してもいいでしょ」ということになるわけです。

 こんなところで引っかかってしまうのが発達障害の人たちの悩みなんです。こういう気持ちをぜひわかってあげてください。

【略歴】

本田秀夫(ほんだ・ひでお)

1964年、大阪府豊中市生まれ。精神科医。信州大医学部付属病院子どものこころ診療部部長・診療教授。日本自閉症協会理事。著書に「自閉症スペクトラム」など。

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