宋美玄のママライフ実況中継
医療・健康・介護のコラム
子供の「非認知能力」育てたい
育児と仕事と家事に追われて、1週間前のこともはっきり思い出せないくらい余裕のない毎日です。幸い子供たちは大病もせず、きょうだい仲良く 天真爛漫 に育っていますが、最近になって感じるのが、親にゆったりと時間的余裕がある家庭との「教育格差」です。
IQでは測れない子供の成長
来年の4月には、娘が小学生になります。同学年のお子さんを見ていると、熱心なおうちでは小学校の勉強をどんどん先取り学習させたり、運動や音楽、芸術など幅広く習い事をさせたりしています。
わが家では、自宅で、ひらがなとカタカナの読み書きや、簡単な足し算、引き算を教えています。私が仕事をしている間には、英語のアフタースクールなどにも通わせています。しかし、私に時間の余裕がないために、取り組み方が中途半端になりがち。娘の最低限のやる気でなんとかついていっていますが、親がまじめならもっと伸びるのだろうなあ、と思うこともしばしばです。
近年、幼児教育の大切さが、盛んに強調されています。「『学力』の経済学」という本によると、勉強の先取りより大切なのが、「非認知能力」だそうです。非認知能力とは、IQ(知能指数)で測れる能力ではなく、「目先のごほうびに釣られず我慢できる」「目標に向かって頑張れる」といった力のこと。わが娘はどうかというと、私が十分に見てあげられないこともあって、我慢したり、苦手なことを根気よく頑張ったりするのは、残念ながら得意な方ではなさそう――というわけで、ひしひしと「格差」を感じる日々です。
「親心」はいつの時代も変わらない
それでも、私が個人的に、幼児期に一番大切だと思っていた「思い切り友達と関わる」ことは、達成できているように思います。協力し合ってルール通りに遊んだり、 喧嘩 したり仲直りしたりしながら、他者との距離感や関わり方を学んでいく。これも非認知能力の一つです。そうした経験は日常の中でできているのではないかと思います。お友達を大事にする気持ちが育っているのがうれしい。親として安心できる部分があるのは幸運だと思います。
自分が幼かったころは誰も勉強なんかしていなかったし、ひたすら遊んでいるだけでした。だから実のところ、今の時代についていけない気持ちもあります。でも、「子供たちが将来有利に生きていけるよう、できることはしてあげたい」と親が思うのは、いつの時代も同じです。向き・不向きを見極めながらいろんな経験をさせられたらいいな、と思います。(宋美玄 産婦人科医)
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何かができるということはできない経験や立場を味わえないということ。 プロのサッカー選手とかでも、大きな挫折経験のある選手の方が息が長いです。 一...
何かができるということはできない経験や立場を味わえないということ。
プロのサッカー選手とかでも、大きな挫折経験のある選手の方が息が長いです。
一方で、耐えて努力できる器でなければしんどいだけです。
個性と巡り合わせは、やみくもな努力より大事です。
ITの進化と資本主義社会の変容は我々の子供世代にはもっと大きな変化を強いるでしょう。
鶏鳴狗盗なんて言葉もありますが、学閥・学歴社会とは別の自立力も重要になると思いますし、どんな性格や特殊技能が生きるかは不明です。
進学、就職、結婚というターニングポイントは自分でコントロールできない要素も多く、いつもいい結果になるとは限りません。
親がいつまでもついていられるわけではありませんし、自分の人生を選ぶ能力も大事になると思います。
幸福形成能力を基準に置くと、見え方も変わるかもしれないな、とか、よそ様の子育てを見ながら、最近は考えます。
社会適合性や発達障害なんかも新聞を賑わせますが、軽症例であれば、関係性や距離感を調節して幸福に生きられるのであれば、必ずしも西洋医学的治療が必要とも限らないでしょう。
他の親御さんのように習い事や先取り学習もいいのかもしれませんが、ソビエト崩壊の時の本とか読むと違った考え方もできるかもしれないですよ。
通貨崩壊、国民国家の崩壊と新生の事例は、変わりゆく資本主義社会日本と同じ構図にあります。
生きていると望みや悩みが尽きないのが人間のサガですが、余計なものをそぎ落とすともっとシンプルなものです。
そういう意味では、積極的に与えないこともまた教育かも知れませんね。
学校の語原は暇であり、考える時間ではないかとも思います。
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親だけではない
てんちゃ
子供を育てるのは親だけではないし、子供自身にも自分を育てていく力があると思います。 また、子供が親に見せる姿は子供のほんの一面に過ぎないですし、...
子供を育てるのは親だけではないし、子供自身にも自分を育てていく力があると思います。
また、子供が親に見せる姿は子供のほんの一面に過ぎないですし、子供というのは往々にしてダメダメで甘えた部分ばかりを親に見せがちなのではないかとも思います。
先生のお子さん達もきっと大丈夫です。
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すごくお気持ちわかります。
まみ
この記事を読んで胸が痛くなるくらいよく気持ちがわかります。 私も1歳9ヶ月の息子がいますが、周りは英会話に通ったりお習い事をしてる子が多いです。...
この記事を読んで胸が痛くなるくらいよく気持ちがわかります。
私も1歳9ヶ月の息子がいますが、周りは英会話に通ったりお習い事をしてる子が多いです。うちはマイペースに自宅で遊んでいますが取り残された気持ちになって落ち込みました。まだ人見知りが激しい息子にイライラしてしまい悲しくなっていました。
でも最近はまずは息子の情緒や感情の豊かさを伸ばしてあげたいと思います。
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