文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

ニュース

ニュース・解説

拡張型心筋症の子どもに、本人の幹細胞移植…岡山大病院で臨床研究

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
拡張型心筋症の子どもに、本人の幹細胞移植…岡山大病院で臨床研究

 重い心臓病「拡張型心筋症」の子どもに、本人から採取した心臓の幹細胞を培養して移植し、心臓の機能を改善する治療の臨床研究を岡山大病院のチームが17日から本格的に始めた。

 根本的な治療には心臓移植が必要だが、子どもの臓器提供者(ドナー)は少なく、移植を待つ間に亡くなる子どももいる。今回の治療で、移植までの待機時間を長くできる可能性があるという。

 拡張型心筋症は心臓がうまく収縮せず、血液を送り出すポンプ機能が低下する難病。2015年度末現在で国から医療費の助成を受けている患者数は約2万8000人。

 臨床研究は、 王英正おうひでまさ 教授(循環器内科学)らのチームが、18歳未満の7人に行う。細い管(カテーテル)で患者本人から心臓の組織の一部を採取。心臓の筋肉のもとになる幹細胞を取り出し、約1か月かけて培養して増やした後、再びカテーテルで心臓の表面の冠動脈の中に戻す。心臓の壁の筋肉が増えれば、ポンプ機能の改善が期待できる。胸を開く手術が不要で、体への負担も軽いという。

 チームはこれまで心臓の心室が一つしか機能しない「単心室症」などを対象にした臨床研究で、6歳未満の41人に同様の治療を実施。心臓が一度に血液を送り出す量が平均で5%程度増えるなどの効果を確認した。

 17日は熊本県の女児(8)に治療を実施。女児は生後1か月で心臓に異常が見つかり薬で治療してきたが、小学校入学後、突然意識を失うことがあった。女児は治療前、「退院したら家族みんなとディズニーランドに行き、学校の友達と鬼ごっこをしたい」と話した。

 チームは安全性などを確認できれば、臨床試験(治験)を行い、3年後の保険適用を目指す。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

ニュースの一覧を見る

最新記事