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臓器移植法20年…ドナー受け入れ 課題

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提供意思 生かせぬ例も

事故で脳死状態となり亡くなった次女みのりちゃんへの思いをつづった本を手にする桜井知佳子さん(左)と紀彦さん夫妻(さいたま市北区の自宅で)=栗原怜里撮影

事故で脳死状態となり亡くなった次女みのりちゃんへの思いをつづった本を手にする桜井知佳子さん(左)と紀彦さん夫妻(さいたま市北区の自宅で)=栗原怜里撮影

 1997年10月16日、施行された臓器移植法。脳死臓器移植に抵抗感が根強かった日本で、長い議論を経ての法制化だった。しかし、ドナー(臓器提供者)は諸外国に比べ著しく少ない。若い世代では肯定的な人が多数派となり、意識は変わりつつあるが、病院の提供体制が整わないなど定着に結びつかない現状がある。

  ■9歳の娘 脳死に

 「娘が、移植を待つ子を一人でも助けられるならと思ったのですが……」

 さいたま市の会社員桜井紀彦さん(49)、知佳子さん(50)夫妻は、臓器提供の申し出がかなわなかった2013年1月の出来事を振り返った。

 当時9歳の次女・みのりちゃんはアーモンドをのどに詰まらせ、13年1月、脳死状態と告げられた。入院中の病院には、移植しか治療の道がない子どもたちもいた。わが子はもう助からないという現実を前に、思い悩んだすえの申し出だったが提供はできなかった。

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