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子育てで「負担」と言われていることは?
教育費やワンオペ育児


子育てで「負担」と
言われていることは?
Q 今回の選挙では、子育て支援がテーマの一つになっているね。子育てで最も大変なことは?
A 教育費といわれているよ。保育所や幼稚園に通うには、利用料を支払う。小中学校は義務教育だから無償だけれど、学用品や学校行事にかかるお金は自己負担。塾やピアノといった習い事にも、お金がかかるしね。高校や大学に進めば、さらに費用がかさむ。幼稚園から大学まですべて公立でも、1人計1000万円以上必要というデータもある。
Q けっこうかかるのね。
A 子育て世帯の経済的負担を軽くするための制度がある。体調を崩しがちな小学生未満の子どもは、病院で支払う自己負担が安くすむ。中学卒業まで無料という自治体もある。中学卒業まで毎月5000~1万5000円を支給する児童手当も、助かるよね。
衆院選では、幼児教育や高等教育の無償化を訴える政党がある。でも、お金だけでは、子育ての負担が解消されるわけではない。
Q ほかに大変なことは?
A 精神的な負担も大きい。「ワンオペ育児」って聞いたことがあるかな。母親だけが育児や家事を担うことだよ。こういう状態が続くと、次の子どもを産もうという意欲が低下しやすいと言われている。夫がもっと子育てにかかわれるよう、長時間労働など働き方を見直すことも重要だ。地域の人が子育ての相談にのり、手助けする活動を広げることも大切だね。
Q 女性が大変そうね。
A 仕事を持つ女性が増えたこともあり、結婚や出産が遅くなる傾向にある。働きながら子育てするのが体力的にきついと感じる人も多い。育児休業や短時間勤務の制度が整ってきているのに、1人目の出産を機に、5割弱が仕事を辞めている。働き続けたとしても、パートなど短時間の仕事に変わる女性も多い。保育所を希望しても空きがない「待機児童」も、全国に約2万6000人いるんだ。
日本の将来を担う子どもたちと子育て世帯を、社会全体でしっかり支えることが欠かせないね。(大広悠子)
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