11歳の男の孫身長伸びず126センチ
11歳5か月の孫(男児)の身長が伸びず心配です。126センチ、体重は27キロです。5歳の時に成長ホルモンの検査を2回行い、数値は低すぎないので様子をみると言われ、治療せずに定期的に受診しています。7月の診察で、半年で2、3センチ伸びていました。このままでいいでしょうか。(68歳女性)
ホルモンに異常ないか検査を
西 美和 広島赤十字・原爆病院 元副院長兼小児科部長(広島市中区)
身長に影響する因子は、〈1〉両親の身長〈2〉適切な栄養、運動、睡眠〈3〉成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性ホルモン〈4〉二次性徴がきた時の身長――など。成長には個人差があり、成長曲線を書いて比べます。
標準との差をSDという値で表します。マイナス2・0SD以下を低身長と定義しますが、質問者のお孫さんは11歳5か月で126センチ(マイナス2・65SD)で、低身長と言えるようです。
この年齢の1年間の平均的な伸びは約7センチ、マイナス2・0SDの人は5センチ。お孫さんの半年の伸び方から1年間で4~6センチ伸びると考えると、低身長の子と同じような伸び方です。
お孫さんの成長曲線や、左手のレントゲン写真から骨の発育程度をみる骨年齢、両親などの身長も判断基準となります。
身長の低い子がすべて成長ホルモン治療の適応ではなく、成長ホルモン分泌不全性低身長症やSGA性低身長症などの場合に適応となり、それぞれ治療開始基準があります。SGA性低身長症は、母親のおなかにいた期間のわりに出生時の身長や体重が小さく、3歳以降にマイナス2・5SDより低いなどの基準に該当すれば治療を始めます。
改めて検査した方がいいでしょう。まれに甲状腺ホルモンや男性ホルモンの分泌異常などが原因のこともあります。小児内分泌の専門医と相談してください。