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糖尿病有病者は増加、予備群は減少、各1,000万人に

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糖尿病有病者は増加、予備群は減少、各1,000万人に

 厚生労働省は9月21日に「平成28年国民健康・栄養調査結果の概要」を公開した。糖尿病が強く疑われる人〔糖尿病有病者:ヘモグロビンA1c(HbA1c)値6.5%以上)〕は増加、糖尿病の可能性を否定できない人(糖尿病予備群:HbA1c値6.0%以上、6.5%未満)は減少して、いずれも全国で約1,000万人になると推計された。糖尿病有病者は増加したが、国の「健康日本21(第二次)」の増加抑制の目標値は1,000万人とされており、この目標は達成されている。

受療者は増加するも、40歳代男性では約50%と低率

 調査対象は全国からランダムに抽出した2万4,187世帯。2016年10~11月に、身体測定や糖尿病に関する問診などの身体状況調査を2万6,354人に実施し、このうち20歳以上の1万1,391人には血液検査を実施した。

 解析の結果、糖尿病有病者の推計人数が20年前の1997年から増加し続けて約1,000万人に達したのに対して、糖尿病予備群は2007年の約1,320万人をピークに減少に転じて約1,000万人となった。両者を合わせた人数は、前回の2012年調査から約50万人減少して約2,000万人と推計された。

 糖尿病有病者の割合は12.1%(男性16.3%、女性9.3%)で、男女ともこの10年間で有意な増減は認められなかった。年齢別では、高齢層ほど有病率が高かった(男性60歳代21.8%、同70歳以上23.2%、女性60歳代12.0%、同70歳以上16.8%)。糖尿病予備群の割合は12.1%(男性12.2%、女性12.1%)であった。

 糖尿病有病者のうち、現在治療を受けている人の割合は76.6%(男性78.7%、女性74.1%)で、男女とも有意に増加していた(2012年調査ではそれぞれ65.9%、64.3%)。性・年齢別に見ると、40歳代の男性で治療を受けている割合が低かった(51.5%)。

食塩、野菜ともに摂取目標を達成できず

 その他の調査結果では、65歳以上の高齢女性における低栄養傾向〔体格指数(BMI)20以下〕の割合が22.0%に及び、この10年間で有意に増加していることが示された。

 1日当たりの食塩平均摂取量は9.9g、野菜の平均摂取量値は276.5gで、いずれもこの10年間で有意に減少しているが、「健康日本21(第二次)」の目標(食塩摂取量8g、野菜摂取量350g)は達成されなかった。

 「この1カ月間に受動喫煙の機会があった」と回答した人の割合を場所別に見ると、飲食店が42.2%と最も高く、遊技場34.4%、職場30.9%、路上30.5%と続き、いずれも3割を超えていた。

 また、都道府県別の比較では、体格および生活習慣に関する状況には依然として地域格差があるものの、男性の野菜摂取量および男女の食塩摂取量に関しては地域格差が縮小していることが示された。

(あなたの健康百科編集部)

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