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医療・健康・介護のコラム
足首の捻挫(足関節靭帯損傷)にはRICE処置
どうも、大関です。スポーツの秋をいかがお過ごしでしょうか。今回はスポーツで最も多いけがである足首の捻挫の話です。捻挫は骨折に比べると軽いけがという印象があり、ケアをせずに治るのを待っている選手も大勢います。しかし、捻挫の程度や対応によっては、その後の復帰に思わぬ時間がかかることもあります。今回は足首を捻挫した時の現場での処置についてお話しします。
高校バレーボール女子選手のケースです。
高校2年生のCさんは中学からバレーボールを始め、センターとしてアタックやブロックに活躍していますが、試合でスパイクを打った際、ネット際で相手の足の上に着地してしまい、右足首をひねりました。体重をかけると足首の外側に強い痛みがあり、プレー継続は困難と判断して退場しました。
足首の捻挫は、バレーボールやバスケットボールでよくみられます。足首を内側にひねる内返し捻挫が多く、足関節の外側にある 腓骨 と 距骨 をつなぐ 前距腓靭帯 を傷めます(下図)。ひどい場合は、腓骨と 踵骨 をつなぐ 踵腓 靭帯も負傷します。
軽い捻挫による靭帯損傷は軽い痛みですみますが、重度の場合、歩行や体重をかけることが困難になります。場合によっては、外側のくるぶしの骨である腓骨を骨折していることもあります。
現場で行うべき処置は、安静(Rest)、冷却(Icing)、圧迫(Compression)、挙上(Elevation)の4つで、英単語の頭文字を取ってRICE処置と呼ばれています。けがした時に生じる、痛み、腫れ、熱感、 発赤 などの炎症反応は、組織の修復過程で必要な反応ですが、過剰になると修復を妨げて痛みや腫れを持続させます。RICE処置は過剰な炎症反応を抑えるために行われます。
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