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大人の紙おむつ講座 急増…多様な商品、使い方学ぶ

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大人の紙おむつ講座 急増…多様な商品、使い方学ぶ

おむつのあて方を実演しながら、参加者の質問に答えるユニ・チャームの林さん(大阪市西区の地域包括支援センターで)

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 大人用の紙おむつの選び方や使い方に関する情報を求める人が増えている。メーカーなどが行う市民向けの「おむつ講座」が各地で盛況で、動画投稿サイトにおむつ交換のコツを公開する介護事業者もある。高齢化に伴って大人用おむつの使用枚数が増え、種類も多様になっていることが背景にある。

  ■「誤解していた」

 「おむつに吸収パッドを何枚も入れれば漏れなくなると誤解していた」

 9月下旬、大阪市西区の地域包括支援センターで開かれた家族介護者教室「おむつの選び方と使い方」に参加した女性(76)は驚いた様子でメモを取っていた。

 講師を務めたユニ・チャーム 排泄はいせつ ケア研究所の林博美さんは「パッドを複数入れると、隙間が多くなり、漏れの原因になる。単価は高くても吸収力の高いパッドを1枚入れる方が効果が高い」とアドバイスした。また、交換の手順も実演し、「体の状態に適した紙おむつを選んでほしい。寝たきりにさせないためには、動きやすさや座りやすさも重要です」と注意を促した。

 大人用の紙おむつ最大手の同社は、施設や専門職向けだったおむつ講座を、2015年度から市民向けにも行っている。この数年で用途に合わせた商品が次々と発売され、「どれを使えばいいか分からない」などの相談が急増したためだ。自治体や地域包括支援センターなどからの依頼が多く、開催回数は15年度の約80回から、今年度は約2倍にまで増える見込み。

  ■動画でも

 おむつに関する相談は、地域包括支援センターなどでも応じてくれるが、言い出せない人もいる。こうした中、ここ数年、注目されているのが、動画投稿サイト「ユーチューブ」だ。介護関係者やメーカー、専門学校が作った紙おむつ交換に関する動画が投稿され、再生回数を伸ばしている。

 12年に「在宅支援チームフォーレスト」(仙台市)が公開した約4分の動画「介護用オムツの替え方」の再生回数は約26万回。同社の訪問看護師、阿部美枝さん(53)は「家族だけでなく、本人のためにもと思って作った。役立ててほしい」と話す。

排泄ケア、重い負担

 

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 一般の家庭では、紙おむつなどが適切に使われず、シーツに排泄物が漏れるケースが意外に多い。漏れてしまうと、本人が傷ついてしまう上、介護する家族の負担感が増して、家族関係がぎくしゃくすることもある。

 内閣府が2013年に自分自身や家族に介護経験がある約700人を対象に行った聞き取り調査によると、介護で苦労したこと(複数回答)として、「排泄(おむつの交換など)」を挙げた人は62.5%と最多で、入浴(58.3%)や食事の介助(49.1%)を上回った。

 紙おむつやポータブルトイレなど排泄用具約900点を紹介しており、年間約2000人が訪れる「むつき庵」(京都市)代表の浜田きよ子さんは、「毎日のことだからこそ、家族の助けが必要。紙おむつはもちろん、ほかにも便利な用具があるので、ぜひそれぞれの正しい使い方や情報を得てほしい」と話している。

  <大人用の紙おむつ>  日本衛生材料工業連合会(東京)によると、生産枚数は、2004年の34億枚から16年には74億枚と増えている。どの程度歩いたり、座ったりできるかといった自立度によって、パンツタイプやテープタイプなどの種類がある。

  ◇相談先の一例◇

▽ユニ・チャームいきいきダイヤル 0120・041・062

▽排泄用具の情報館「むつき庵」 075・803・1122

 木曜~土曜日開館。入館無料。

 (大広悠子)

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