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コラム

フジテレビ 同性愛蔑称謝罪は「言葉狩り」なのか

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フジテレビ「ホモ」謝罪は「言葉狩り」なのか

トーマスタウンで喜ぶ息子です

 先日、フジテレビのバラエティー番組が、男性同性愛者に対する蔑称である「ホモ」をネタにしたキャラクターを登場させ、性的少数者(LGBT)の関連団体等が抗議するということがありました。2017年にもなって、そのような番組が作られたことには驚きました。もちろん性的マイノリティー差別がまかり通る時代ではなく、フジテレビの社長がすぐに謝罪するという事態になりました。

「笑える番組が作れない」の声

 その一方で、テレビ関係者からは「最近は何でも言葉狩りをする。これでは笑える番組は作れない」というような声も聞かれ、番組制作の現場では不満の声も珍しくないようです。でも、本当にそうなのでしょうか?

 確かに、昔に比べると、性的マイノリティーだけでなく、外見や体形、身体的特徴を笑う表現やセクシャルハラスメントなどに対しては、批判が殺到しやすくなりました。「笑いを取る」ための表現の幅は狭くなっているのかもしれません。しかし私は、制約がある中でも表現を追求することはできると思うのです。安易に侮蔑的な笑いに流れる傾向に代って、何か新しいものが生まれることもあるのではないかな、と期待もしています。

LGBTは特別じゃない

 とはいえ、ただ「差別すると炎上する」と警戒する風潮だけでは、偏見をなくしていくのは難しいと思います。むしろ、反発が見えないところで広がっていくのが心配です。

 私が学生の頃、見た目にちょっと女性的な同級生の男子がいました。私は、周囲と一緒になって、彼をからかったことがあります。今思えば、全くもって偏見を持っている側の人間だったわけです。その後、身近に同性愛者であることをカミングアウトする人が相次ぎました。LGBTの人が複数いる環境に長らくいると、いつの間にか特別でもなんでもなく感じるようになっていました。

双方向的に取り組もう

 かつて医療事故の報道で、医師の私から見ると、手を尽くしたと思われるケースが「過失」とされていたり、受け入れ不可能だったとみられるケースが「たらい回し」と言われていたりすることがありました。それでも、多くの医療関係者がブログなどで一般の人に医療の実情を伝え、交流を重ねたことで、医療の不確実性が理解されるようになりました。わかり合うためには、双方向的なコミュニケーションが欠かせません。

 LGBTの当事者や「アライ」(支援者)には、性的マイノリティーの実像について、繰り返し丁寧に説明してきた人たちもいます。こうした努力が、これから多くの人の意識を変えていくのではないでしょうか。社会のいろいろな場面で、LGBTの人たちが、少しずつごく当たり前の存在になっていくといいなと思います。(宋美玄 産婦人科医)

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

このブログが本になりました。「内診台から覗いた高齢出産の真実」(中央公論新社、税別740円)。

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1件 のコメント

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フジテレビ 同性愛蔑称謝罪

MAMO1

表現の自由についてどうお考えですか?  そもそも番組内容は差別的なものではないと思うのですが、ごらんになられたのでしょうか。コメントを何回も読み...

表現の自由についてどうお考えですか?  そもそも番組内容は差別的なものではないと思うのですが、ごらんになられたのでしょうか。コメントを何回も読み返しましたが、きれいごとをおっしゃっているようにしかうけとれません。

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