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医療ルネサンス

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受動喫煙(1)禁煙店限定のグルメ本

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受動喫煙(1)禁煙店限定のグルメ本

長谷さん(右)の説得で、店内を禁煙化した照井さん。「たばこの煙は、和食の繊細な味を損ねる」と口をそろえる

 「たばこの煙さえなければ何度でも来るんだけどね」

 神奈川県藤沢市で開業する医師の長谷 あきら さん(62)は、気に入った店を見つけるたびにこう語りかけ、禁煙化を促してきた。

 美食家で、きき酒師や日本さかな検定2級など飲食にまつわる多数の資格をもつ長谷さん。「煙の中ではせっかくの料理もおいしく味わえない」と語る。

 市内の小料理店「てるい」の店主、照井幸彦さん(64)も説得された一人だ。2013年4月に店を開いた当初は、喫煙を許していた。長谷さんが初めて訪れたのは約半年後。魚介料理や、手に入りにくい日本酒が飲めることなどが気に入り、頻繁に通い始めた。

 ある日、店内に喫煙者がいないタイミングを見計らい、笑顔で切り出した。

 「いつもおいしいんだよね。あと、禁煙にならないかな」

 照井さんは即答を避けたが、喫煙者の常連客に相談すると、理解してくれた。数か月後には禁煙にした。「みんなに気持ちよく食べてもらえる環境になった。女性からの予約も増え、売り上げも2割ほど増えた」と手応えを語る。

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