在宅訪問管理栄養士しおじゅんのゆるっと楽しむ健康食生活
医療・健康・介護のコラム
食費を抑えて、健康的な食生活を送りたい!
工夫次第で栄養面も金額面もクリアできます
一方で、ある切実な相談が寄せられました。「我が家で食費にかけられるのは月に2万円。だから、野菜は高くてそうたくさんは買えず、野菜ジュースに頼るしかありません。どうしたらよいですか」というものです。
理由はさまざまながら「料理ができない」という人には、電子レンジやスープジャーなどを活用して野菜を取る方法を提案したり、「野菜を買いにいく時間がない」という人には、コンビニでも買える冷凍野菜を活用する簡単なレシピを紹介したりすることもできます。でも、お金が足りなければ、それもできませんね。
「一月に2万円」という予算が十分かどうかは人それぞれですが、中でも「自分で料理ができない」人にとっては、足りないかもしれません。毎食300円程度の総菜を買うと、それだけで1か月27000円にもなります。これでおなかが満たされ、栄養バランスよくとれるような食事をするにはどうしたらよいでしょうか。
先日、ある施設で調理実習を行いました。当日の参加者は男性5人、女性1人。中にはほとんど料理をしたことがない人もいました。参加者のリクエストにお応えして、その日のテーマは「簡単で栄養バランスのよいパスタを作ろう」。 鮭中骨 水煮缶と冷凍ブロッコリーに、クリームシチューのもとと牛乳を合わせて加熱し、コンソメで味を整えたものに、茹でたパスタを絡めました。うれしいことに、ブロッコリーが苦手だった人も、「おいしい!」とあっという間に完食したのです。
1人の参加者が、「同じようなパスタをお店で食べると800円くらいしますが、今日の材料費はいくらですか?」と聞いてきました。レシートを確認すると、パスタは1キロ入り170円の破格もの。鮭中骨水煮缶は気仙沼産のもので約200円でしたが、1人分は1/2缶です。冷凍ブロッコリーと玉ねぎに、調味料など、すべてを足してみると、「鮭とブロッコリーのクリームパスタ」は1食200円程度で作れることがわかりました。「外食するより600円も浮くなら、やりたい!」「今日の作り方なら家でもできそう!」など、驚きの声が聞かれました。
この場合、自分か家族が料理をするという前提ですが、冷凍の野菜や缶詰、そしてスーパーのセール品などを上手に活用すれば、1食200円前後の食事も不可能ではないのです。場合によっては、もっと安くできるかもしれません。このレシピなら、すべて電子レンジで調理できます。
「食費を抑えて健康的な食生活を送る」のは、私にとっても一生の課題です。料理をするには、ガスや電気に水も使います。こうした資源も極力無駄遣いしないように、効率的に調理をして、おいしい食事をしたいですね。(塩野崎淳子 在宅訪問管理栄養士)
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