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臓器移植の輪、リングから…支援団体と「ノア」タッグ16年

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ジャンボ鶴田さんらの遺志継ぐ

臓器移植の輪、リングから…支援団体と「ノア」タッグ16年

プロレスの試合会場で臓器移植への理解を呼びかける日本移植支援協会(10日、福岡市博多区の博多スターレーンで)

 移植患者を支援するNPO法人「日本移植支援協会」(東京都)と、プロレス団体「ノア」(同)が、16年にわたり臓器移植の普及啓発に取り組んでいる。“異色のタッグ”は2人の有名レスラーが縁を結び、ファンを中心に理解を広げてきた。脳死移植を認めた臓器移植法が施行されて10月で20年、両団体は「さらに理解を広げたい」と話す。

 「1人でも多くの命を救えるよう、ご協力をお願いします」

 同協会理事長の高橋和子さん(65)が9月10日、福岡市で開かれたプロレスの試合の合間、リングの上から呼びかけた。月1回程度、全国の巡業先でアピールするのが恒例になっている。

 きっかけは、2000年に肝臓移植手術で亡くなったレスラー、ジャンボ鶴田さん(当時49歳)。高橋さんは、追悼献花式を手伝い、鶴田さん夫妻が設立した移植患者を支援する「ジャンボ鶴田基金」の事務局も引き受けた。

 臓器移植への関心が今以上に低かった当時。啓発に苦心していた高橋さんに01年、驚きの誘いが舞い込んだ。鶴田さんの後輩で、ノアを創設した人気レスラー、三沢光晴さんから「リング上でアピールを」と提案された。鶴田さんの追悼試合も開いていた三沢さんが、遺志を継いだ形だった。

 以来、各地の試合会場で啓発。人気選手たちの写真を裏面に印刷した、同協会特製の意思表示カードはファンの間に広がった。

 看板選手の潮崎豪さん(35)は「いろんな地域を回る自分たちなら、多くの人に訴えかけられる」と言い、内田雅之会長も「強者が弱者を助けるプロレスの精神に通じる」と後押しする。

 三沢さんは09年、試合中に頭を強打して倒れ、46歳で急死した。高橋さんは「臓器移植は、思いやりが命をつなぐ特別な医療。無縁と思っている人たちに直接伝える貴重な機会をいただいた。その思いを引き継ぎたい」と話している。

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