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がん治療と妊娠(3)患者の選択に向き合う

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 「ホルモン療法をやめたいんです」。東京都の加藤彩子さん(47)は2011年夏、昭和大学病院(東京都)の乳腺外科医に思い詰めた表情で話した。

 その前年の夏、加藤さんは「炎症性乳がん」と診断された。乳がんのわずか約5%の珍しいタイプで悪性度が高く、進行も速い。

 抗がん剤でがんを小さくしたあと、乳房を部分的に切除する手術を受けた。

 こうした治療で命の危険を回避した後に始まったホルモン療法は、薬で女性ホルモンの働きを抑え、がんの再発を防ぐのが狙いだ。

 ただ、副作用として、ほてりやのぼせ、大量の汗などの症状が起きるほか、生理が止まる場合もある。薬でこれまでのホルモンバランスが乱れるためだ。

 加藤さんには当時、結婚を考えるパートナーがおり、赤ちゃんを産みたいと思っていた。生理が戻るかもしれないと思ったのが、ホルモン療法をやめたい理由だった。

 ただ、治療をやめれば、がんが再発するリスクは高まる。それでも赤ちゃんを望む背景を探ろうと、同科の看護師・渡辺 知映ちえ さんが加藤さんに詳しく話を聞いた。回数を重ねると、加藤さんの抱える事情が徐々にみえてきた。

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