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コラム

認知症 失ったものと得たもの

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注文と違う料理、でも大丈夫

認知症 失ったものと得たもの

注文をとる認知症の女性。伝票にはあらかじめ料理名などが印刷してあり、印を付けるだけでよい(写真はすべて森嶋夕貴/D-CORD撮影)

 認知症の人が接客する「注文をまちがえる料理店」が、9月16~18日の期間限定で東京・六本木のレストランにオープンしました。

 認知症の人がウェーター、ウェートレスになって注文を取り、料理を運びます。プロの料理人が調理し、フロアにはサポート役のスタッフが目を配っていますが、それでも「注文と違う料理が出てきた」「セットのサラダが二つある」などのミスがあちこちで起きます。でも店名の通り、間違えるのが当たり前ですから、お客さんも怒らないで下さいねーーというイベントです。

 テレビ局のディレクターと介護関係者のアイデアから始まった企画に飲食業など各界からメンバーが加わり、6月に2日間だけ開いたところ、大きな話題になりました。9月21日の「世界アルツハイマーデー」に合わせ、規模を拡大して開催することになり、専用サイトで資金を募る「クラウドファンディング」を行うと、500人近くから約1300万円が集まりました。

 今回、接客に当たったのは、実行委員会のメンバーが運営するグループホームで暮らす人などです。男女約20人が交代で、支援者の中から抽選で選ばれたお客さんに料理を運びました。

 取材の申し込みは、60件以上に上ったと聞きます。私が取材した日は、ニューヨーク・タイムズ紙から中国中央電視台、カタールを拠点とする衛星テレビ局のアルジャジーラまで、海外メディアも多数、集まっていました。

ハプニングから笑顔の輪

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「小海老とホタテのふわとろオムライス」。認知症の人が混乱しないよう、メーン料理は3種類に絞り、値段は1000円に統一した

 「認知症の人が接客するお店」という試みは、これまでにもいくつかありました。今回、ここまで注目されたのは、広報やイベントに精通した人々が企画に加わったことも大きいでしょうが、何よりも「間違いをむしろ楽しむ」という考え方が、多くの人の心をつかんだのではないかと感じます。

 この日は、立ちっぱなしで疲れたウェートレスさんに、女性のお客さんが「隣に座りませんか」と声をかけ、デザートのお菓子を一緒に食べる……なんて場面もあったそうです。わざと間違いを引き起こすような仕掛けは施していないのですが、主催者の予想を超えたハプニングから、たくさんの笑顔が生まれていました。

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