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一病息災

闘病記

[歌手 徳永英明さん]もやもや病(3)みんなのために歌を

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 1年半の休養期間を経て、2002年11月に復帰した。

 「新しい人生が始まる感じで、自然体で歌っていけそうな実感。もう格好つけるのはやめようと思った」

[歌手 徳永英明さん]もやもや病(3)みんなのために歌を

徳永英明さん=奥西義和撮影

 当時の記者会見ではそう答えた。心境の変化は大きかった。ただ、15年前を振り返ると、ちょっと気恥ずかしい。「ほんと若いですね。ええ格好しいだな」と苦笑する。

 歌への向き合い方は大きく変わった。

 「それまでは自分のために書いた詩を歌っていた。病気をして、みんなのために歌を作ろうと思うようになりました。大病をした人にしか分からない感覚でしょうね」

 病気を機にたばこはやめ、酒もあまり飲まなくなった。夜を明かしたマージャンやゲームもしなくなった。

 復帰後初のステージは怖かった。運動は続けていたので体力に自信はあったが、「ライブをやる体力が落ちていた。2時間も声を出すのは大変なんです」。感覚を取り戻すまでに、半年ほどかかった。

 ライブで歌ったことがきっかけで、女性歌手の名曲をカバーしたアルバム「VOCALIST」が誕生。シンガー・ソングライターとしてキャリアを始めており、歌手やボーカリストと呼ばれるのは少し抵抗があったが、「年を重ねると落ちついてきました。いまは歌手でも芸人でも何でもいいんです」。

 異色のカバーアルバムは大ヒットを記録する。

  歌手 徳永英明さん(56)

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