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[快便のコツ](3)食物繊維の過信禁物

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 便秘の解消には「食物繊維が有効」とよく言われるが、過信は禁物だ。食物繊維を増やすと解消する便秘は実は一部で、とり過ぎると悪くなる便秘もある。

[快便のコツ](3)食物繊維の過信禁物

肛門の動きを正常化するバイオフィードバック療法の装置

 日本消化器病学会の研究班が作成し、来月公開される「慢性便秘症診療ガイドライン(指針)」は、大腸の働きの異常が原因で起こる便秘を、排便回数減少型と排便困難型に大別する。排便回数減少型は更に、大腸通過遅延型と大腸通過正常型に、排便困難型は更に、機能性便排出障害と器質性便排出障害に分けられる。

 このうち、食物繊維の増量で明らかな効果を得られるのは、主に大腸通過正常型。このタイプの便秘は、食物繊維や食事量の不足で起きているためだ。

 どのタイプでも、海藻や果物などの食物繊維を多く含む食品を適度にとることは悪くない。だが、大腸通過遅延型の場合は、食物繊維を増やし過ぎると腸管内の便が更に停滞し、便秘が悪化する。非刺激性と呼ばれる下剤を適切に服用することが望ましい。

 指針の作成に携わった島根大学第2内科教授の木下芳一さんは「便秘の解消には、専門医療機関で検査を受けて自分がどのタイプなのか知ることが重要」と話す。

 排便に毎回苦労する排便困難型も、食物繊維では治らない。この中の機能性便排出障害は、排便しようとおなかに力を入れると、肛門が逆に締まるなどの問題が起こる。肛門を緩める訓練「バイオフィードバック療法」などを専門医療機関で受けると、多くが改善する。器質性便排出障害の便秘は、直腸の変形などで起こるため、治すには手術が必要になることもある。(佐藤光展)

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