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読み聞かせ、小学生にも

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語彙力アップ ホッとするひととき

読み聞かせ、小学生にも

 本の読み聞かせは子どもの想像力を育み、親子のコミュニケーションにも役立つ。ところが、小学生になったのを機にやめてしまう家庭も少なくない。有意義な習慣から「卒業」してしまうのはもったいないと専門家は指摘する。

 川崎市の市立中原図書館で9月上旬、小学生を対象に読み聞かせの会が開かれた。「子どもたちの感性を豊かに伸ばそう」と月1回、企画されている。

 地域のボランティア団体「お話の小箱」のメンバーによる朗読に小学校低学年の児童ら約10人が聞き入った。この日読んだ本の一つは「10ぱんだ」(作・岩合日出子、福音館書店)。リズム感のある文章と、動物写真家・岩合光昭さんが撮影したパンダの写真で構成される。

 朗読後、同団体のメンバーが「パンダは何を食べるでしょうか?」などと質問を投げかけていた。代表の野呂道子さんは「小学生が対象なので、朗読するだけではなく、パンダに関する知識を織り交ぜ、理解が深まるよう工夫しました」と説明する。

 小学生に対する読み聞かせについて、子育て絵本アドバイザーの前田ちひろさんも「通常の読書と同様、 語彙ごい 力が増えるなど有意義」と話す。

 成長するにつれ、幼児期の無邪気さは徐々になくなっていく。だからこそ、「子どもの繊細な気持ちに触れることができる読み聞かせは、親にとっても大切な時間になる」という。

 それは高学年にもあてはまる。勉強や友人関係が難しくなったり、習い事で忙しくなったりした時、読み聞かせはホッとできる時間になる。

 意識したいのは、小学生になると知的好奇心が強まり学習意欲も湧いてくる点だ。前田さんは、本の中で「疑似体験」したことを「現実体験」に結びつけるよう勧める。恐竜の本を読み聞かせ子どもが興味を持ったら、一緒に博物館に行く。博物館で気付いたことがあれば、さらに本で調べるよう促せば効果的という。

 では、どんな本を選んだらいいだろうか。前田さんは〈1〉知的好奇心に応える本〈2〉心情に訴える本――に分けて考えると、探したり選んだりしやすいという=表=。日頃から、子どもがどんなことに興味や関心を抱いているのか意識していると、子どもに合った本を選びやすい。

 学校で学んでいる内容も参考になる。例えば学校で稲作を学んでいたら、それに関連する本を選ぶと、授業の理解が深まりやすい。

 前田さんは「読み聞かせは、感情や知識を親子で共有する貴重な時間。幼児期だけのものと決めつけてしまうのはもったいない」と話す。もちろん、中学年ぐらいになれば「自分で読みたい」と主張する子どももいる。その時は読み聞かせにこだわらず、自主性を尊重して見守ろう。

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