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【臓器移植法20年】贈る思い(5)「贈り物」失ったからこそ

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【臓器移植法20年】贈る思い(5)「贈り物」失ったからこそ

贈られた腎臓は失ったが、永田さんは自宅で人工透析をしながら、臓器移植について経験を語る活動をしている(神奈川県相模原市で)

 それは、突然のことだった。5年ほど前のある日、待ち望んだ腎臓移植が決まった。ドナー(臓器提供者)が現れたのだ。

 神奈川県相模原市の会社員、永田徳彦さん(44)が、臓器を仲介する日本臓器移植ネットワークに登録してから、14年が過ぎていた。

 最初に異常がわかったのは14歳の時。腎臓で血液を 濾過ろか する糸球体の数が通常の10分の1しかなく、老廃物が除ききれずに体にたまってしまう。

 高校生になって、生体腎移植が検討された。健康な家族から、二つある腎臓の片方をもらう方法だ。永田さんの場合、家族と血液型が合わず断念。18歳で人工透析を開始した。週3日通院し、1回4時間の透析を受ける生活を続けていた。

 移植後は、わずかだった尿の量が正常になり、人工透析から解放された。亡くなった人からの腎臓提供を待つ患者は1万人以上。10年以上待つことも覚悟しなくてはならない。移植にこぎ着けたのは、貴重なチャンスだった。

 「不摂生をして、せっかくもらった腎臓をダメにしないようにしなければ」

 永田さんは、塩分をとりすぎないなど、体調に細心の注意を払った。しかし、体は拒絶反応を示した。

 移植された臓器は本来、体にとって異物。体を守る免疫機能が働いて攻撃するため、移植患者は免疫抑制剤を飲み続ける。永田さんは、薬を飲んでも免疫が抑えられなかった。腎機能は悪化し、入退院を繰り返した。移植から1年半後、腎臓は働かなくなり、取り出すことになった。

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