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授乳が多発性硬化症リスクを抑制

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米国とドイツの共同研究グループの報告

授乳が多発性硬化症リスクを抑制

 20代、30代の若い女性に多く、目がかすむ、手足がしびれる、ふらふらして歩けなくなる、気持ちが落ち込むなど多種多様な症状が現れ、再発を繰り返す難病・多発性硬化症。現在、日本では2万人の患者がいるという。この多発性硬化症について、授乳の累積期間が長いほど多発性硬化症の発症リスクが低いと、米国とドイツの共同研究グループが医学誌「 Neurology 」に発表した。

授乳期間が15カ月以上だとリスクは44%低下

 この研究グループは以前に、完全母乳育児を行った多発性硬化症の女性は、出産後の再発が低いことを報告している。今回は、授乳の期間および排卵年数と多発性硬化症発症との関係を検討した。

 研究グループは、多発性硬化症と新規に診断された女性または初期病変があると診断された女性397人と、背景がマッチする多発性硬化症ではない女性433人を対象とし、両方の妊娠、母乳哺育、ホルモン避妊薬の使用の有無と、排卵年数に関係する因子(初経および閉経年齢、無月経)を比較した。

 その結果、累積の授乳期間が15カ月以上の人は、授乳期間が0~4カ月の人に比べ多発性硬化症のリスクが53%低かった。また、初経年齢が15歳以上であるとリスクは44%低下した。避妊薬の使用の有無、排卵年数、高齢出産、無月経とは関係がなかったという。(あなたの健康百科編集部)

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