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【臓器移植法20年】贈る思い(2)「ありがとう」の上の言葉

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【臓器移植法20年】贈る思い(2)「ありがとう」の上の言葉

横山さんは肺移植の経験者として、生徒が臓器移植について考えるきっかけになる授業を実践している(札幌市の札幌西陵高校で)

 昨年10月、福岡市で行われた日本脳神経外科学会の総会。妻が脳死ドナー(臓器提供者)となった会社員の五十嵐利幸さん(67)が登壇したシンポジウムに、肺移植を受けた高校の保健体育教師、横山美紀さん(47)も並んだ。直接のつながりはないとはいえ、同じ場でドナー家族と移植を受けた人が語るのは珍しい。

 2008年に移植を受けた横山さんが、ドナー家族と直接会うのは初めてだった。硬くなって臨んだが、妻がだれかの体のなかで生きていると希望を抱く五十嵐さんの話を聞くうち、緊張がほどけていった。

 「私、ドナーと一緒に生きているんだ」

 そう実感できた。人の臓器を受け取ったことで、ずっと抱き続けた葛藤から、解放されるようだった。

 横山さんが難病を発症したのは、26歳だった1996年。筋肉系の細胞の一部が異常を起こし、肺などで腫瘍細胞が増殖する「リンパ脈管筋腫症」。息切れや呼吸不全を起こすため、安静に過ごすしかなかった。

 動くのが日に日に苦しくなり、階段を上るのもゆっくり1段ずつ。それでも発症から12年間、できる範囲で仕事を続け、闘病した。

 97年に臓器移植法が施行されると、日本でも脳死の人からの肺移植ができるようになった。横山さんも待機患者として、臓器を仲介する日本臓器移植ネットワークに登録。2年8か月待って、移植が実現した。

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