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疾病やストレスから身を守る「防衛体力」に注目を…コンディショニング研究会が提言
季節の変わり目は、体調も変化しやすくなりがちです。スポーツや医科学の専門家でつくる「コンディショニング研究会」(読売新聞社ほか協賛)は、体力の維持・向上という観点から、以下の提言をまとめました。
「二つの体力」
よく体力という言葉を使いますが、そもそも体力とは何でしょうか? まず思い浮かぶのは、体力テストで評価するような、筋力、持久力、瞬発力などかもしれません。しかし、実は体力にはもう一つ重要な側面があります。
体力は、「人間の活動や生存の基礎となる身体的能力」と定義され、大きく分けると「行動体力」と「防衛体力」の二つがあります(※1)。行動体力というのは、行動を起こし、継続し、正確に行うための身体的能力のことで、まさに体力テストで測れるようなタイプのもの。
そして、もう一つ忘れてはならないのが防衛体力。これは、健康や生命をおびやかすような、さまざまな外的ストレスに対する抵抗力を指します。つまり、外的環境や病原菌、不眠や疲れ、精神的ストレスなどから心身を守る力が防衛体力です。
行動体力と防衛体力は、いわば車の両輪のようなものと言えそうです。
現役世代の方は、仕事の効率化や家族や友人とのプライベートな行事などに追われて、気が抜けない状態が続き、疲労やストレスがたまるばかりであることがうかがえます。日々が体力勝負であるがゆえに、ストレスに負けない体、疲れない体が必要であり、運動やトレーニングを自分に課して、とにかく体力をつけなければと思っている方も多いのではないでしょうか。
いくら筋力や持久力が高くても、暑さや湿気といった外的環境に弱かったり、心配ごとを抱えていたりなど、防衛体力が低くなっていると、コンディションが崩れやすく、十分なパフォーマンスを発揮できない可能性があります。一方、運動によって行動体力を高めている人は生活習慣病などの病気になりにくい、つまり、防衛体力が高いといった関連もみられます。
体力回復に役立つコンディショニング法
二つの体力は、どちらも高い状態に保っておきたいところですが、日々新たな問題やストレスにさらされる生身の人間である以上、いつも高いレベルに保ち続けられるものではありません。たとえば、運動しすぎた翌日は筋肉痛でいつものように動けない、免疫力が下がったせいか風邪をひいてしまった……などなど。こうした体力低下状態からの回復、リカバリーを促すために、ぜひ取り入れてほしいのがコンディショニング法です。
測定しやすい行動体力に対し、防衛体力を数値化するのは難しいところもあります。だからこそ、脈拍や体温、血圧の測定などを通じて、自分のコンディションの変化を日々チェックし、体調管理に役立ててください。
※1 池上晴夫著 「新版 運動処方―理論と実際-」(朝倉書店)
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