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がん治療の明日(4)ゲノム医療を地方でも

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がん治療の明日(4)ゲノム医療を地方でも

坂本さんの診察を受ける女性(左)。「地方の患者もゲノム医療を受けられる体制を整えてほしい」と話す(甲府市の山梨県立中央病院で)

 南アルプスに抱かれた甲府盆地に立つ山梨県立中央病院(甲府市)。のどかな地方都市のこの病院は、がんゲノム医療の先進施設という異色の顔を持つ。

 県内に住む専門学校教員の40歳代女性がここで遺伝子検査を受けたのは、卵巣がんと診断された2014年1月のこと。同病院は、研究のため、卵巣がん患者全員に検査を依頼していた。検査結果によると、女性はBRCA1という遺伝子に変異のある「遺伝性卵巣がん」だった。

 「当時は知識がなく、遺伝性かどうかまで気にしていませんでした」

 手術できないほど進行していたため、女性は抗がん剤治療を受けた。卵巣がん患者一般に使われる薬だ。しかし、この頃、米国や英国では、この遺伝子に変異がある患者に有効なオラパリブ(商品名リンパルザ)という薬が実用化されようとしていた。

 遺伝子を解析してがんの原因となる遺伝子変異を特定し、それに合う薬を選ぶがんゲノム医療。世界では、がんの薬物治療が臓器別から遺伝子変異に着目した治療に変わりつつある。

 そんな事情を知るよしもない女性は、治療が手詰まりになった15年秋頃、主治医の坂本育子さんに尋ねられた。

 「あなたに合う薬が使えるかもしれない。試してみませんか」

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