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異例の事態!…同型O157、感染源特定できないまま11都県に広がる

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異例の事態!…同型O157、感染源特定できないまま11都県に広がる

 埼玉、群馬両県の総菜販売店でポテトサラダなどを購入した人が腸管出血性大腸菌 オー 157に感染した問題で、両県を含め、関西など計11都県の患者から同じ遺伝子型のO157が検出されたことが、厚生労働省への取材でわかった。同省によると、感染源が特定できないまま、同じ型の菌が広がるのは異例の事態という。

「特定は困難」

 厚労省によると、埼玉、群馬県の患者から検出されたのは、「VT2」と呼ばれる毒素を出すタイプのO157。このタイプによる患者の報告件数は8月14~20日の1週間で計144件に上り、過去5年で最も流行した昨年8月15~21日の123件を超えたことがわかった。

 さらに、国立感染症研究所の検査の結果、東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、栃木、長野、新潟、滋賀、三重、香川の計11都県の患者から検出された菌が遺伝子型まで一致。感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、「基本的には同一の感染源だと考えられるが、患者の動きや食材の情報などをきちんと調査して判断することが重要だ」と話す。

 また、東北大の 賀来かく 満夫教授(感染制御学)は「O157は人間や動物の体内など様々な場所で生息できるため、そもそも特定するのが難しい」と話す。牛の腸の中などにすんでいる菌が、調理や流通の過程で様々な食材に移る可能性もあり、そうなれば特定はさらに困難になるという。

 感染ルートについて厚労省は、〈1〉特定の食品などが感染源となって広く流通している〈2〉汚染源の食品を食べるなどして感染した人が調理をし、菌が広がる――などが考えられるという。

詳細調査が必要

 厚労省の担当者は「原因が特定できず、同じ遺伝子型の菌が広がる異例の事態だ。早期に感染源を特定する必要がある」と話す。

 同省は1日付で都道府県などに対し、詳細な調査を求める通知を出した。具体的には、同タイプの菌を確認した場合、発症前1週間の食事の内容やプール利用の有無など患者の詳細な行動を確認するよう求めた。報告された情報については、国立感染症研究所で分析し、共通する食材や経路の特定につなげたい考えだ。

 新学期が始まり、給食が再開されることから、同省では、給食を調理する事業者などに感染予防の指導を徹底することも求めている。

「衛生管理に問題」

 埼玉、群馬県によると1日までに、両県の総菜販売「でりしゃす」系列店で購入したポテトサラダやマリネなどの総菜を食べた計20人がO157に感染したことが確認された。

 各自治体の保健所は、総菜を販売した店舗や食品加工会社などを調べたが、食品サンプルや従業員、調理施設からO157は検出されなかった。前橋市保健所は、「店の衛生管理に問題がある」と指摘したが、感染源は特定されていない。

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