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医療ルネサンス 25年

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[医療ルネサンス 25年](1)臨床現場で徹底取材…患者の目線 四半世紀

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 ■医師の「働き方改革」どうなる

 ――日本は世界有数の長寿国になりました。2025年には団塊の世代が全員75歳以上になり、本当の超高齢社会を迎えます。横倉さんは10月から世界医師会の会長を務めますが、世界における日本の医療の位置づけも含め、今後の課題と展望について聞かせてください。

 横倉  医療体制、技術、利用しやすさ、患者の経済的な負担など総合して考えると、やっぱり日本の医療制度は素晴らしい。だからこそ、いまの制度を継続しなければならないと考えています。高齢化の進展と、働き手の減少というアンバランスを解消するためには、AI(人工知能)やロボットなどを活用して医療の効率性をもっと上げる必要があります。

 山口  いまのお年寄りは昔に比べて明らかに元気です。せっかく健康寿命が延びたのだから、そういう人たちに介護に携わってもらうなど、人的資源を有効に活用する方法も探る必要があります。

 一方で、高齢者だから検診はいらないとか、医療はあまり必要ないといった考え方があることを危惧しています。40代と80代のがんでは、対応が違って当然です。そのためにも高齢者の治療について合意事項を示すガイドラインを整備しなければなりません。

 岸本  超高齢社会において、予防は非常に重要です。コストを下げる効果も見込めます。また認知症の増加に伴い、食事や生活の指導のほか、治療法などを選ぶ際の意思決定の支援も、大きな課題になってきます。

 山口  禁煙は、最も力を入れるべき課題です。たばこは追放するつもりで取り組まないといけません。

 ――今後の医療報道や、医療ルネサンスについて要望はありますか。

 横倉  いまの働き方改革が医療にどう影響を与えるかは、大きな関心事です。医師の長時間労働を解消する方向に動けば、かなりの人員が必要になりますが、それだけの人材を集められる地域は限られています。地域医療がどうなるか、引き続き注目してほしいと思っています。

 山口  患者の関心がある話題は、繰り返し報道してもらいたいと思います。継続性が非常に大事です。一つのテーマを1回書いて終わりにするのではなく、問題を定期的にフォローし、読者に分かりやすく伝えてほしいと思います。

 岸本  患者は、自分が受けた検査がどういうところを通って主治医から結果が告げられるのか、その流れすらよく分からないこともあるので、医療現場の仕組みが分かるような記事が欲しいですね。基本的なことを整理してもらうことで、医療者と患者の理解が互いに進むことを祈っています。

 ◇「医療ルネサンス」と医療部の歩み

1992年9月1日「医療ルネサンス」第1回が朝刊1面でスタート
1994年9月7日医療ルネサンスが新聞協会賞受賞
1995年11月16日通算1000回「変わる精神保健福祉」掲載
1996年10月16日医療ルネサンスが菊池寛賞受賞
1997年4月1日医療情報室を新設
1998年9月2日田中秀一記者が「妻以外から卵子提供受け体外受精」の特報で新聞協会賞受賞
1999年1月19日2000回記念東京フォーラム「21世紀のがん医療」開催
2000年3月1日医療情報室が医療情報部に
2002年11月6日3000回記念東京フォーラム「患者にやさしい最新医療」開催
2006年11月9日4000回記念東京フォーラム「つくる健康 えらぶ医療」開催
2008年10月16日他部の専門記者らと「医師の計画配置」などを柱とする医療改革提言をまとめ発表
2009年10月29日医療ルネサンスが読める医療・健康・介護サイト「ヨミドクター」がオープン
2010年12月1日5000回記念東京フォーラム「こころの健康」開催
2013年4月1日医療情報部が医療部に
2013年5月8日他部の専門記者らと「医療を成長のエンジンに」などとする医療改革提言をまとめ発表
2014年12月2日6000回記念東京フォーラム「超高齢時代の健康学」開催
2015年9月2日高梨ゆき子記者ら取材班が「群馬大病院での腹腔鏡手術をめぐる一連の特報」で新聞協会賞受賞
2017年9月1日医療ルネサンスが25周年

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