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マタハラ・パタハラって何?
子育て社員へ嫌がらせ


マタハラ・
パタハラって何?
Q 「マタハラ」って何のことなの?
A 「マタニティー・ハラスメント」の略だよ。マタニティーは英語で「母性」、ハラスメントは「嫌がらせ」という意味だ。妊娠や出産などを理由に、女性が職場で不利益な扱いや、嫌がらせを受けることを指す。
Q たとえばどんなこと。
A 妊娠を上司に報告したら、「ほかの人を雇うから」と退職を強要されたり、法律で認められている産前・産後休業(産休)や育児休業(育休)から復帰した際、不当な異動や降格をさせられたりすることだ。
Q マタハラに遭っている人は?
A 25~44歳の女性約1万人に行った2015年の調査では、マタハラを経験した人は21・4%だ。派遣労働者に限ると45・3%にも上る。内容は「(育休など)妊娠・出産・育児関連の権利を主張しづらくするような発言をされた」(47%)が最も多い。「雇い止め」や「賞与等で不利益な算定をされた」人も2割程度いた。マタハラをした人は「直属の上司」が約30%と最も多かったよ。
Q 女性は大変なのね。
A 実は女性だけの問題ではないんだ。男性に対するパタハラ、つまり「パタニティー・ハラスメント」も問題になっている。パタニティーは「父性」という意味だよ。男性が子育てに積極的に参加しようと、育休取得や短時間勤務を申請しても、上司が「出世に響く」「奥さんがやればいい」などと認めなかったり、降格など不当な取り扱いをされたりすることがあるんだ。
Q 出産や子育てで嫌がらせなんて、ひどいわ。
A 「男性が働き、女性は家庭で子育て」という価値観が根強く残っていて、女性が働きながら子育てをしたり、男性が育児に協力したりするのがやりにくい雰囲気があるのかもね。
改正育児・介護休業法は、企業にマタハラやパタハラの防止措置を講じるよう義務づけた。子育て中の社員への理解はもちろん、多様な働き方が認められるよう、社会全体で意識改革を進めることが大切だよ。(小沼聖実)
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